徹底討論:OpenStackの社内利用が現実的に? 成熟度を議論したOpenStack for Enterprise座談会【前編】(1/2 ページ)

国内大手企業で導入事例が聞こえ始めている「OpenStack」だが、企業利用にはまだ課題が残る。現状の成熟度はどのくらいなのか。OpenStack導入のプロ5人が語った。

2016年10月17日 09時00分 公開
[唐沢正和ヒューマン・データ・ラボラトリ]
日本仮想化技術 玉置氏

 オープンソースのクラウド構築ソフトウェア「OpenStack」が、企業内システム基盤で検討、導入されるケースが増えている。世界的にはBMWやVolkswagen(フォルクスワーゲン)などの事例が有名だが、国内でもキリン、JFEスチール、富士通といった大手企業がOpenStackを採用し社内システムのプライベートクラウド化を実践している。ご存じの通り、OpenStackは発展途上の技術だ。企業利用で必要な機能の拡充、可用性の面ではまだ課題が残る。

 TechTargetジャパンは2016年9月、日々OpenStack導入の現場に携わり、コミュニティーでも活躍する有識者とともに、OpenStackの現状と今後について議論する座談会を開催した。モデレーターは、OpenStack導入のコンサルティングや技術検証を行う日本仮想化技術の玉置伸行氏が担当。パネリストには、ハードウェアベンダーおよびシステムインテグレーター(SIer)として国内で多数のOpenStack導入実績を持つNECから鳥居隆史氏、マルチベンダーを強みに、ユーザー企業がOpenStackを活用するための組織改革を含めたコンサルテーションを得意とする伊藤忠テクノソリューションズから中島倫明氏、自社のクラウド基盤にOpenStackを採用し、企業向けのクラウドサービスを提供するNTTコミュニケーションズから林 雅之氏、日本OpenStackユーザー会の会長としてユーザー会や運用コミュニティーを支援する水野 伸太郎氏の4人。前編では、現在のOpenStackが企業利用にどのくらい適しているのか、その成熟度について語った。

モデレーター

玉置伸行氏(日本仮想化技術)

パネリスト(50音順)

鳥居隆史氏(NEC)

中島倫明氏(伊藤忠テクノソリューションズ)

林 雅之氏(NTTコミュニケーションズ)

水野 伸太郎氏(日本OpenStackユーザー会)


企業で使える? OpenStackの成熟度

――2016年4月にOpenStackの「Mitaka」がリリースされました。このMitakaでOpenStackはどこまで成熟してきたとお考えですか。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

新着ホワイトペーパー

市場調査・トレンド 日本アイ・ビー・エム株式会社

競争優位性を確保するために取り組むべき「ハイブリッドバイデザイン」の全体像

ハイブリッドクラウド環境は、多くの組織でハイブリッドバイデフォルトとして構築されてきた。しかし、この無秩序な環境が、サイロ化や混沌を招いている。今必要なのは、戦略的にハイブリッドクラウド環境を構築することだ。

製品資料 日本アイ・ビー・エム株式会社

生成AI時代のハイブリッドクラウド、価値を最大化するためのアプローチとは?

ハイブリッドクラウドと生成AIはDX推進のけん引役とみられているが、ある調査では成功企業が25%にとどまるという結果も出ている。その主な原因が、クラウド導入に計画性がなく、戦略に一貫性がないことだ。どう改善すればよいのか。

製品資料 株式会社AIT

そのファイル転送で大丈夫? リスク・遅延・中断に悩まされない環境の作り方

大容量データの送受信には、通信遅延や帯域制限の課題がある。本資料では、高速で安全なデータ送信を実現できるファイル転送プラットフォームを紹介する。導入時に気になるポイントとともに、料金プランも分かりやすく解説している。

市場調査・トレンド アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社

基礎から分かる、Amazon Web ServicesでAPIを効果的に活用する方法

APIを活用することで多彩なシステムを手軽に構築することが可能になる。Amazon Web Services(AWS)を有効活用する上でも、APIをどう使っていくかが重要だ。本資料は、APIの基礎知識からAWSでAPIを効果的に活用する方法まで解説する。

技術文書・技術解説 Datadog Japan合同会社

AWS、GCP、Azureなどクラウドネイティブ環境における5つのセキュリティ強化策

Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureなどクラウドネイティブ環境のセキュリティを強化するには何をすればよいのか。ログの収集や分析を高度化するためのベストプラクティスを解説する。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...