国内大手企業で導入事例が聞こえ始めている「OpenStack」だが、企業利用にはまだ課題が残る。現状の成熟度はどのくらいなのか。OpenStack導入のプロ5人が語った。
オープンソースのクラウド構築ソフトウェア「OpenStack」が、企業内システム基盤で検討、導入されるケースが増えている。世界的にはBMWやVolkswagen(フォルクスワーゲン)などの事例が有名だが、国内でもキリン、JFEスチール、富士通といった大手企業がOpenStackを採用し社内システムのプライベートクラウド化を実践している。ご存じの通り、OpenStackは発展途上の技術だ。企業利用で必要な機能の拡充、可用性の面ではまだ課題が残る。
TechTargetジャパンは2016年9月、日々OpenStack導入の現場に携わり、コミュニティーでも活躍する有識者とともに、OpenStackの現状と今後について議論する座談会を開催した。モデレーターは、OpenStack導入のコンサルティングや技術検証を行う日本仮想化技術の玉置伸行氏が担当。パネリストには、ハードウェアベンダーおよびシステムインテグレーター(SIer)として国内で多数のOpenStack導入実績を持つNECから鳥居隆史氏、マルチベンダーを強みに、ユーザー企業がOpenStackを活用するための組織改革を含めたコンサルテーションを得意とする伊藤忠テクノソリューションズから中島倫明氏、自社のクラウド基盤にOpenStackを採用し、企業向けのクラウドサービスを提供するNTTコミュニケーションズから林 雅之氏、日本OpenStackユーザー会の会長としてユーザー会や運用コミュニティーを支援する水野 伸太郎氏の4人。前編では、現在のOpenStackが企業利用にどのくらい適しているのか、その成熟度について語った。
玉置伸行氏(日本仮想化技術)
鳥居隆史氏(NEC)
中島倫明氏(伊藤忠テクノソリューションズ)
林 雅之氏(NTTコミュニケーションズ)
水野 伸太郎氏(日本OpenStackユーザー会)
――2016年4月にOpenStackの「Mitaka」がリリースされました。このMitakaでOpenStackはどこまで成熟してきたとお考えですか。
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