オンライン秘書サービス「CasterBiz」を提供するキャスターは、従業員の95%が在宅勤務だ。同社のビジネスは、テレワーク制度なしでは成立しない。同社の運営に必要なシステムはどのようなものだろうか。
秘書、経理、Web担当などのサービスをオンラインで提供するキャスター。同社は、顧客向けのサービスだけでなく、従業員向け社内システムのオンライン提供にも力をいれている。それというのも、キャスターでは従業員の95%を在宅勤務のスタッフが占め、従業員同士が離れた場所で業務をしているためだ。
「働き方改革」が叫ばれる中で、独創的な取り組みで成果を挙げる同社は、どのようにリモートワーカー中心の組織を作り、運営しているのか、代表取締役社長を務める中川祥太氏に話を聞いた。前編となる本稿では、同社のビジネスとIT活用にスポットを当て、後編「『顔が見えない部下は管理できない』は幻想 テレワークがうまくいく組織文化とは」では中川氏が考える「成功するテレワークと組織運営」について取り上げる。
本題に入る前に、まずはキャスターの主要事業を説明しておこう。キャスターの事業の柱となるサービスは2つ。その1つが、オンラインアシスタントサービス「CasterBiz」だ。サービス内容を一言で表すなら、オンラインでサポートしてくれる総務部のようなものだ。契約時間内であれば、秘書、人事、経理など専門性の求められる業務も、日常の定形雑務もこなしてくれる。CasterBizはこれらを全てオンラインで提供しており、請け負う業務内容は幅広い。
「首都圏ではアルバイトやパートを雇用するのが困難になっています。人材自体が枯渇しているのです。特に中小企業では、経理担当者を雇えずに苦慮しているようです」(中川氏)
中小企業だけではなく、個人事務所で働く士業の人たちからも人気を得ており、サービスは順調に成長中だ。経理業務でクラウドサービスを活用する事業者が増えたことと、人材不足が重なったことがサービス成長中の要因だろうと中川氏は分析する。
キャスターのもう1つの柱となるオンラインサービスが、デザイナーやエンジニア向けの仕事紹介サービス「Remote Style」だ。Remote Style利用者はCasterBizの支援を得られるというメリットがある。フリーランスや副業で働くデザイナー、エンジニアと発注者を結ぶサービスは近年増えてきている。フリーランスは1人で経理などの雑務を担当しなければならないだけに、雑務をCasterBizに任せられる点は他サービスとの大きな差異化要素になる。
両サービスとも、契約案件ごとに担当者を付けるという。キャスター側は担当者と業務のマッチングはせず、あくまでもBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスとして業務を請け負う。利用者はいつも同じ担当者に依頼できるという安心感が得られるわけだ。実際の業務はキャスター側でチームを組んで対応するので、提供業務の品質は担当者個人のスキルに左右されることがない。発注側が突発的な業務を依頼したとしても、CasterBizでは可能な限り対応し、日常定型業務に落とし込むことができるように顧客と担当者の間ですり合わせるという。「キャスター社内の体制としては、チーム制にすることで対応可能な業務を増やすとともに多様な働き方を実現しています。サービス利用者にとっては幅広い業務サポートが受けられるという仕組みです」(中川氏)
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