ビジネス市場を追い上げるGoogle
やはり強い「Office 365」――対抗する「G Suite」の巻き返し策は?
Googleは企業ユーザーの支持拡大に力を注いでいる。だがMicrosoftの牙城を崩すのは難しいかもしれない。
Googleはこの2年間、クラウドベースの企業向けオフィススイート「G Suite」の改良を重ねてきた。2017年5月にはIT管理者向けのアプリケーションパッケージ「Chrome Enterprise Bundle」をリリースし、ブラウザ「Chrome」の管理機能を強化している。G Suiteは、「カレンダー」「Gmail」「ドキュメント」「スプレッドシート」「ハングアウト」「ハングアウト Meet(ビデオ会議)」などのアプリケーションをクラウド経由で提供する。Googleは2017年にG Suiteに新しいフィッシング攻撃対策を追加するなど、セキュリティや管理機能の強化を進めている。だが市場では依然として、Microsoftのクラウド版オフィススイート「Office 365」が支配的だ。
MicrosoftとGoogle両方のパートナー企業であるHillSouthの創業者でCEOのロビー・ヒル氏によれば、HillSouthの顧客はG Suiteへの移行には関心を示していない。既にMicrosoftの「Office」をオンプレミスで利用しているから、というのがその最大の理由だという。
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「オンプレミスからクラウドに移行しようという顧客の多くがMicrosoftのOffice 365を選択する。大半の企業にとってはそれが同種の移行となるからだ」とヒル氏は語る。
ビジネスアプリケーション市場で長年トップの座を維持するMicrosoftだが、現状に安住するつもりはない――調査会社Moor Insights & Strategyの代表で主任アナリストのパトリック・ムーアヘッド氏はそう指摘する。例えばMicrosoftは2017年に「多要素認証」(MFA)のサポートを強化した。MFAを使用するOffice 365のサービス(「Exchange」「SharePoint」「Skype for Business」など)とクラウドベースのID管理サービス「Azure Active Directory」を連携できるようにしている。
「G SuiteはOffice 365との激烈で容赦ない競争に直面している」とムーアヘッド氏は語る。
それでもGoogleがビジネス市場への攻勢を緩めることはない。新しくリリースされたChrome Enterprise Bundleを使えば、IT担当者はエンドユーザーによるWeb閲覧をより細かく管理でき、従業員はレガシーなWebアプリケーションをChromeから利用できる。これは「Windows 10」の標準ブラウザ「Microsoft Edge」にはない機能だ。
調査会社Technology Business Researchのアナリスト、ジャック・ナーコッタ氏によれば、Chrome Enterprise Bundleのリリースはこの先起こるであろうことの前触れだという。「エンタープライズ市場に対するGoogleの意欲は増している。Googleのエコシステムではセキュリティや管理機能に関して、さらに多くの取り組みが進められているはずだ。今後の展開に注目したい」とナーコッタ氏は語る。
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