2018年診療報酬改定に向けて議論進む「遠隔診療」が集患にも“効果あり”な理由0.5歩先の未来を作る医療IT

2018年の診療報酬改定では、遠隔診療で医学管理料が算定できるようになるかどうかが注目されています。遠隔診療関連で新設となる点数の要点を解説します。併せて遠隔診療が集患にも効果を発揮する理由を考察します。

2018年01月09日 05時00分 公開
[大西大輔MICTコンサルティング]

このコラムについて

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医療機関のIT化は他の業界に比べて5〜10年は遅れているといわれます。また、医療現場でIT製品を導入する際、スタッフから不安の声が上がるなど、多かれ少なかれ障害が発生します。なぜ、医療現場にITが浸透しないのか。その理由を探るとともに、解決策を考えていきます。


 前回「診療予約システムは『待ち時間ゼロ』の武器、診療所の待ち時間と集患の深い関係」では集患の考え方として待ち時間と診療予約システム、そして集患の関係について解説しました。今回は、医療機関の“IT武装”による集患の手法「遠隔診療サービス」活用について考えます。

遠隔診療での医学管理

 2018年4月予定の診療報酬改定を踏まえ、遠隔診療の評価に関する議論が進んでいます。中でも、遠隔診療で医学管理料が算定できるようになるかどうかに注目が集まっています。

 2017年12月1日開催の第375回中央社会保険医療協議会(中医協)総会資料によると、「情報通信機器を用いた医学管理を診療報酬で評価する場合の基本的な考え方」の案として次の項目が挙がっています。

  1. 特定された疾患、患者であること
  2. 一定期間継続的に対面診療をしており、受診間隔が長過ぎないこと(注1)
  3. 急変時に円滑に対面診療ができる体制があること
  4. 安全性や有効性のエビデンス(科学的証拠)が確認されていること
  5. 事前に治療計画を作成していること(注1)
  6. 医師と患者の両者の合意があること
  7. 上記のような内容を含む、一定のルールに沿った診療をしていること

注1:初診の患者は、当該要件を満たさないため、対象に含まれない。

 文面通りに読むと、遠隔診療を保険適応とするには、疾患および受診期間を絞り、治療計画書と患者同意書を必要とするといった算定条件になりそうです。特に安全性や有効性のエビデンスをどのように確認するかが重要になりそうです。遠隔診療サービス側でセキュリティの配慮が求められることでしょう。

「電話等再診」との区別

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