ケープタウンの小児専門病院が、ビデオ会議システムを使って海外の先進医療技術を学ぶとともに、国内の医師に手術映像を公開して技術の普及を図る取り組みを始めた。
南アフリカのケープタウンにある小児専門の赤十字病院は、心臓外科にPolycomのビデオ会議ソリューションを配備した。外科手術の手技を医学生が学ぶ手段の1つとなり、世界的な権威のある医師の執刀を(ビデオで)見学できるようになった。
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南アフリカは、アフリカ大陸の中では最も進んだ国の1つに数えられるが、社会構造的な不平等は今なお根深く、その影響は小児医療の分野にも色濃く見られる。この病院が受け入れる患者の多くは、貧困層の多い地区で暮らす深刻な状況の子どもで、患者の3分の1は1歳未満の乳児だ。
また南アフリカは、正規の教育を受けた医師や外科医が圧倒的に不足しているという悩みも抱えている。医師や外科医の資格を取得するのは年間でわずか1200人であるのに加えて、資格取得後、多くの者が出国してしまう。
同病院でICT部門の責任者を務めるジェローム・コーンズ氏は、「そんなわけで、当病院の患者の大多数は重篤な病状の子どもたちで、しかも患者数は増加する一方だ。しかし対応する医師は足りない。特に『心臓カテーテル治療』が可能な教育を受けた小児科の心臓専門医は、まずつかまらない」と話す。なお「心臓カテーテル治療」とは、さまざまな種類の心臓手術をひっくるめた包括的用語で、診断時にも治療時にも使われる。
この事態を改善するため、同病院のIT部門はビデオ会議システムを活用するという、一石二鳥のアイデアを実行に移した。経験の浅い医師に同病院で行う外科手術の中継映像を見る機会を提供すると同時に、同病院の外科医は第一線で活躍する世界的な心臓外科医の手技を学ぶことができる。
コーンズ氏は、病院内の他の診療科で既に展開していた遠隔医療システムを拡張し、ビデオ会議システムを導入した。
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