サーバレスインフラの管理を成功させるには、IT運用部門の協力が欠かせない。だが運用のプロフェッショナルも、システムエンジニアリングのスキルやインフラをコードで表現するスキルを磨く必要がある。
企業では、サーバレスコンピューティングの導入が流行している。だが、このテクノロジーを試行段階から先に進めるには、IT運用のプロフェッショナルの助けが必要になる。
今のところ、大半の企業のサーバレス導入はIT部門の小規模チームに限定され、初期段階にあるかアプリの実験段階にある。企業が最重要のビジネスアプリケーションにサーバレスインフラを導入する場合は、IT運用の専門知識が必要になるだろう。
この現実は草創期のサーバレスコミュニティーの議論とは対照的だ。当初は「NoOps」を目指し、IT運用の専門家によるサポートがなくてもサーバレスアプリケーションが機能する未来を思い描いていた。NoOpsで運用しているスタートアップ企業もある。だが大企業では、たとえサーバレスインフラ内でもうまく機能しない。
「(サーバレスインフラの)コンピューティングユニットは非常に小さくなっている。だが、それでもそのユニットを監視する必要があり、問題が発生すれば夜中の2時でも呼び出しがかかるのは変わらない」と話すのは、Small Winsの共同創設者兼CTO(最高技術責任者)のブライアン・ルルー氏だ。同社は、Slack Technologiesの「Slack」でプロジェクトとタスクの管理を行うアプリ「Begin」を開発している。「測定可能性、サービスレベル契約(SLA)、契約はいずれも、クラウドによって解決することではない」と同氏は続ける。
アプリケーションが拡張し、成熟するにつれ、問題の範囲も変わっていく。その範囲は、個別のコード関数を作成することから、関数がどのように複数のクラウドサービス間で結び付き、全てのパーツが一体となって機能しているかを理解することへと移っていく。複雑なサーバレスアプリ向けに移り変わる多くのパーツの調整を支援する目的で、「Serverless Framework」や「Sparta」などのオープンソースフレームワーク、Amazon Web Service(AWS)の「AWS Serverless Application Model」や「AWS AppSync」などの専用プラットフォームが登場している。
ここにIT運用部門の出番がある。だが、そのためにはスキルを刷新する必要がある。
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