サーバレステクノロジーのプロバイダーは、企業の関心事項を念頭において、さまざまな機能をサービスとして追加し続けている。だが、IT部門にとって必要な機能はまだ幾つかある。
サーバレステクノロジーは、クラウド分野において存在感を増しながら新興企業に浸透してきた。たが、2018年は主力企業での導入増加を目指している。
Amazon Web Services(AWS)の「AWS Lambda」が、2014年のリリース以来、サーバレス市場をリードしている。だが、現在、Googleの「Google Cloud Functions」、IBMの「IBM Cloud Functions」、Microsoftの「Azure Functions」が激しい追い上げを見せている。
クラウドサービスプロバイダーは、自社の魅力を高めるため、競ってサービスを拡大している。例えば、2018年1月末に一般公開されたMicrosoftのイベント処理ツール「Azure Event Grid」は、開発者によるAzure Functionsの設計と使用を支援する。AWSは、Lambdaサービスにプログラミング言語「Go」のサポートを追加した。これにより、コールド状態からの起動時間が3ミリ秒未満になる。これに対し、JavaScriptベースのアプリケーションの起動時間は5秒を超える。
こうした商業活動に加え、全てのクラウドで実行可能なサーバレスコンピューティング標準を策定しようとするオープンソースに向けた動きもある。OpenFaaS(オープンソースFunction as a Service)は、ベンダーへのロックインなしにサーバレスを最大限に活用することを目標とする。オープンソースのその他のイニシアチブには、IBM Cloud Functionsベースの「Apache OpenWhisk」、Kubernetes向けサーバレス関数のフレームワーク「Fission」などがある。
サーバレステクノロジー市場全体としては不透明だ。その一因は、サーバレスサービスは他のクラウドサービスとの直接比較が難しく、アクティビティーの料金設定が同じではないことにある。一般に、価格は使用したコンピューティングサイクルに基づく。そのため、画像処理のようにコンピューティングリソースを集中的に使用する特定のタスクではコストが高くなる。メールの送信など、シンプルなキューサービスを起動するだけのタスクならコストは抑えられるだろう。こう語るのは、マサチューセッツ州フレイミングハムのIDCで調査部門のマネジャーを務めるラリー・カルバリョ氏だ。
導入数の点で、Amazonは前年比300%の伸びを記録したと主張する。確かな裏付けはないが、サーバレステクノロジーが飛躍的に成長しているのは間違いないだろう。
「サーバレステクノロジーベースのコンピューティングモデルを運用する新興企業の数や、新しいアプリケーションにサーバレステクノロジーを使用する企業の数が増えている。既にAWSを利用している顧客企業は、既存のアプリケーションに機能を追加する際、妥当な部分にはサーバレステクノロジーを利用している」(カルバリョ氏)
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