デジタルサービスに取り組むジンズは、眼鏡型ウェアラブル端末やERPのIT基盤にAWSを選択。全く知見の無い中でIoT基盤を手探りで構築していった。採算が取れるかどうか分からない新サービス開発で心掛けたことは?
ITを活用し仮想世界と現実の世界を融合することで、新たな価値や収益を生み出す「デジタルビジネス」に取り組む企業が増えている。低価格で高機能な眼鏡商品を展開するジンズも、デジタルビジネスに熱心に取り組む1社だ。軽量眼鏡「Airframeシリーズ」や、PC操作による目の疲れを軽減する眼鏡「JINS SCREEN」といったヒット商品を手掛けてきた同社は今、眼鏡とITを組み合わせた新商品や新サービスの開発に力を入れている。しかし同社も順風満帆にデジタルサービスを開発してきたわけではない。IoT(モノのインターネット)技術を活用したウェアラブル端末では、IoT基盤に関する知見がなく、IT基盤をどう作ればいいか分からない状態で開発を進めたという。オンラインショッピングのECサイトでは、IT基盤に国産クラウドを利用していたものの、大量アクセスに耐え切れずサービスがダウンしたなど、手探りの状態から少しずつ前進していった。
2017年6月1日に開催された「AWS Summit Tokyo 2017」のセッションでは、ジンズでシステム企画室のマネジャーを勤める澤田和寿氏が登壇。同社が取り組むさまざまなデジタルサービスと、それを支えるIT基盤として「Amazon Web Services」(AWS)を選択した理由を語った。
「JINS PAINT」は、スマートフォンアプリを使って眼鏡のフレームを自分でデザインするサービスだ。2015年2月にスマホアプリとしてリリースしてから、2016年11月には台湾へとサービスエリアを拡大している(店頭限定)。ジンズはこのJINS PAINTで、はじめてAWSを活用した。
新規サービスのIT基盤に求める要件は、何と言っても初期費用と運用コストを低く抑えられることだった。澤田氏は「採算が取れるかどうか分からない事業に、高額な投資はできない。一方で、大量アクセスにも耐えられる必要がある」と述べる。初期費用を低く抑えられ、徐々に規模を拡大することが可能で、グローバルで利用できる。こうした条件を満たしていたクラウドサービスがAWSだったという。
AWSへ移行した当初は、サーバレスでコードを実行できる「AWS Lambda」がまだ存在していなかったので、仮想マシンサービス「Amazon EC2」にミドルウェアとアプリケーションを構築することとなった。AWSを活用して2年がたつが「ユーザーが増えてもITコストは上がっていない」と述べる。現在はサービスをリニューアルするために構成を変えているとのことだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。