AWS、Azure、Google サーバレスは性能と移植性で評価するコストだけでは比較できない

サーバレスプラットフォームはコスト削減の効果が期待できる。だが、候補となるベンダーを企業のIT部門で評価する際に留意すべき要素は、コスト面だけではない。

2018年04月18日 09時00分 公開
[Tom NolleTechTarget]

 サーバレスプラットフォームには、Amazon Web Services(AWS)の「AWS Lambda」、Microsoftの「Azure Functions」、Googleの「Cloud Functions」などがある。こうしたサーバレスプラットフォームを評価する場合、コストと価格モデルを検討する必要があるのは間違いない。だが、忘れてならない特徴は他にもある。

 注意すべき最大の問題は、サーバレスの意味がクラウドベンダーごとに若干違うことだ。各社のサーバレスプラットフォームはサポートするアプリケーションの種類が異なる場合がある。

ステートレスアプリケーションの種類

 サーバレスコンピューティングは本来、イベントに応答する一時的なアプリケーションを実行する方法として構成されたものだ。こうしたアプリケーションはステートレスだ。つまり、関連する一連のイベントのコンテキストを認識しない。そのため、開発者はこれらのアプリケーションを必要に応じて読み込み、実行し、複製することができる。

 サーバレスプラットフォームで実行できるステートレスアプリケーションは2種類ある。1つは関数(ラムダ)コンピューティングとして知られている。このモデルでは、入力を単純に関数処理した結果がアプリケーションの出力になる。アプリケーションを実行する頻度や場所にかかわらず、常に同じ反応が得られる。

 もう1つはバックエンドで状態を管理するものだ。この種のアプリケーションでは、複数手順のプロセスのコンテキストをデータベースに格納する。そのため、アプリケーションの実行対象となる新しい手順を表す新規イベントが発生したときに、中断していた場所から再開できる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news199.jpg

天気に合わせて屋外広告を自動切り替え 気象データ×DOOHで何ができる?
ジーニーが気象データと連携したDOOH広告の新サービスを発表。屋外にいるターゲットの状...

news152.jpg

日本の動画配信市場は成長鈍化 それでもNetflixに迫る大幅成長を遂げたサブスクサービスとは?
GEM Partnersは、動画配信(VOD)市場の現状と今後の予測をまとめた年次レポートを公開し...

news077.jpg

ヘリから飛び降り、ガラスを破る……アカデミー賞広告主5社が、ド迫力アクションCMを競作した狙い
2025年のアカデミー賞では前代未聞の共同広告キャンペーンが実現。Carnival Cruise Line...