企業システムを真にクラウドネイティブで競争力のあるものに変革していくには、3つの技術を避けては通れない。その3つとは、コンテナ、アプリケーション、サーバレスだ。それぞれの特徴を解説する。
クラウドコンピューティングという考え方が生まれてから10年が過ぎた(注1)。懐疑的な目で見る人も多かったが、そんな時代も今や昔。「クラウドファースト」という言葉が示すように、企業ITの第一の選択肢としてクラウドを挙げることも当たり前になってきた。既に社内のITをクラウドに移行し終わった読者もいるかもしれない。企業ITの更新サイクルを踏まえると、クラウド移行に取り組んでいる企業は、今後数年で大半が移行を完了すると考えられる。
※注1: 2006年に、当時GoogleのCEOだったエリック・シュミット氏が「クラウドコンピューティング」という言葉を使ったときを起点とした場合。
だが、クラウド移行が一段落つきつつある今だからこそ改めて考えてみたい。クラウド移行とは、ゴールではなく始まりであるということを。
クラウド移行が終わったという人、移行中だという人に尋ねたい。今使っているのはどういうサービスだろうか。ここで聞きたいのは「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」といった回答ではない。例えばAWSだとして、その中のどれだけのサービスを使っているかということだ。「Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)」「Amazon ELB(Elastic Load Balancing)」「Amazon RDS(Relational Database Service )」「Amazon S3(Simple Storage Service)」あたりは多く手が挙がるだろう。それ以外はどうだろうか。
そう、これまで世の中で言われていた「クラウド移行」とは、IaaS(Infrastructure as a Service)への移行を指すことが多かった。オンプレミスのサーバとネットワークをそのままEC2に置き換え、加えてデータベースをプロバイダーがインフラを運用するマネージドのRDSに、といった具合だ。
もちろんこれだけでも大きな進歩ではある。運用コストの削減は間違いなく見込めるだろうし、ハードウェアの保守切れによるシステム刷新に頭を悩まされることはなくなるだろう。
しかし、これは既存のITをそのまま別環境に移行しただけだ。そのITが企業にもたらす付加価値という意味では、何も進歩していないのだ。
ではどうすればよいか。まずクラウドを「オンプレミスを置き換える大規模なマネージドサービス」と捉えるのではなく、「全く新しい価値をもたらすプラットフォーム(OS、サーバ、ミドルウェアなどの集合体)」と考えるべきだ。従来のITには無い、クラウドならではの思想やアーキテクチャを取り込んだ仕組みに変革していき、高まるビジネスニーズに迅速に応えていくことが重要である。これを「クラウドネイティブ」と呼んでいる。
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