急成長のバイオテクノロジー企業が「SD-WAN」を必要とした理由先行事例にみる「SD-WAN」の導入成果【中編】

M&A(統合・買収)や海外進出を進める企業にとって、「SD-WAN」がネットワーク構築に役立つ可能性がある。大規模な事業拡大を進めるバイオテクノロジー企業BioIVTがSD-WANを導入した事例を紹介する。

2019年08月01日 05時00分 公開
[Luke O'NeillTechTarget]
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 前編「自動車部品メーカーがMPLSから『SD-WAN』へ乗り換えた理由」では、自動車関連のソフトウェアを手掛けるVisteon、物流サービスを提供するPilot Freight Servicesが、ソフトウェアによってWANを動的に制御する「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)を導入した事例を紹介した。ローカル拠点からインターネットに直接接続できるようになる点や、膨大なトラフィックへの対処、ネットワーク構築時間の短縮などが、これらの企業がSD-WANを導入したことで得た利点だ。

 中編となる本稿では、事業拡大を進める企業がなぜSD-WANを選択し、どのような成果を得たのかを紹介する。

 ニューヨーク州ロングアイランドでバイオテクノロジー事業を展開するBioIVTは、企業買収によって急成長を遂げている。この企業買収によって、BioIVTはある課題に直面した。企業買収によって加わった新しい事業所のネットワークを、BioIVTが従来持つグローバルネットワークに接続しなければならないことがその要因だった。

 「新しい拠点のネットワークを既存のネットワークに組み入れる作業に60日もの時間を要することもあった」と、BioIVTのIT部門でディレクターを務めるアンドリュー・トンプソン氏は語る。「当社は急成長を遂げていた。IT部門は拡大するビジネスニーズに、もっと機敏に応えなければならなかった」(トンプソン氏)

 従来のネットワークにも問題があった。侵入防止システム(IPS)が導入されておらず、他の拠点に接続する際には、使い勝手の悪い仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用していた。トンプソン氏によれば、特にBioIVTのITチームが社内で管理するのに手を焼いていたのは、このVPNだったという。

SD-WANでネットワークの“遠回り”を解消

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