BIベンダー各社は昨今、「拡張分析」に注力している。拡張分析がもたらす恩恵の中から今回はデータ準備とNLPベースのクエリについて紹介する。
ビジネスインテリジェンス(BI)やアナリティクスツールのベンダーは、自社製品の利便性を高めようとしている。その中で自社製品や機能群に「拡張分析」(Augmented Analytics)を追加する動きが広がっている。こうした中、企業の間では既に拡張分析の実例が蓄積され始めている。
拡張分析とは、BIアナリストや標準的なビジネスユーザーが簡単に洞察を活用できる高度な機能を用いて、絶えず収集するデータに対する複雑な統計計算を強化することを指す。拡張分析には、クエリを容易にする自然言語処理(NLP)などの人工知能テクノロジーが組み込まれていることが一般的だ。
「ここ10年で、利用可能なデータが爆発的に広がり、多様なソースやチャネルからデータを取得できるようになっている。そのため規模を問わず、企業はこのようなデータを整理して理解するための助けが必要になっている」。現在のBIにおける拡張分析の役割についてこう説明するのは、Adobeで分析サービス「Adobe Analytics Cloud」の製品管理部門のディレクターを務めるベン・ゲインズ氏だ。
分析会社Kinetica DBで最高マーケティング責任者(CMO)を務めるダニエル・ラスキン氏によると、この役割の重要性が増しているという。ビジネスの意思決定方法が、ますますデータ主導になっているためだ。「データを集める者、そしてデータの使い方を知っている者が勝者となる」とラスキン氏は指摘する。
データを蓄え、必要に応じて分析するだけではもはや足りない。データを取り込み、継続的に評価して、即座に行動に移すことが必要になっている。「現在と過去の何十億個というデータを継続的かつ自動的に組み合わせて分析できれば、直ちに意思決定を具体化できる」(ラスキン氏)
このような必要性が拡張分析の飛躍的な成長を促している。WantStats Research And Mediaの調査部門であるMarket Research Futureは、拡張分析の世界市場は2023年まで年間24%の順調な成長を見せ、同年には130億ドル市場になると予想している。
ここからは、拡張分析の用途を紹介する。こうした分析強化の用途は大まかに5種類に分類できる。今回はそのうちの2つについて取り上げる。
拡張分析の大きな用途がデータ準備だ。データアナリストは、処理対象の新しいデータを受け取るたび、多くのプロセスをこなす必要があった。「拡張分析やスマート分析は、こうしたデータアナリストの忍耐を要する全てのプロセスを削減する」と話すのは、データ分析会社Hexe Dataで業務執行役員を務めるクリストフ・スロウィッキー氏だ。それはどういうことなのか。
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