Intelが次世代メモリOptaneで実現した「ストレージクラスメモリ」とは?「Optane」で進化するメモリ技術【前編】

Intelは次世代メモリ技術「3D XPoint」をベースにしたメモリ製品群「Optane」を市場に投入した。従来のメモリのどのような課題を解消したのか。

2019年12月04日 05時00分 公開
[Kurt MarkoTechTarget]

 コンピュータに使用されるメモリが磁気コアメモリから半導体メモリに切り替わって以来、半導体研究者やシステムアーキテクトは、次世代のメモリ技術を追求してきた。その探求の一つの帰結として、IntelとMicron Technologyが共同開発したメモリ技術「3D XPoint」が挙げられる。この3D XPointをベースにしたメモリが「Optane」だ。

 メモリ技術の進化はどこまで到達したのだろうか。フラッシュメモリの開発は急速に進展した。複数のメモリセルを束ねた「ページ」と、それをさらに複数まとめた処理単位「ブロック」を取り入れたNAND型フラッシュメモリの仕組みや、指数関数的な容量増大によって、電子的なデータ消去と高密度化を実現した。そして近年の「ストレージのパフォーマンスを優先するのであれば、容量を犠牲にしなければならない」というストレージのヒエラルキーが成立した。

フラッシュメモリの課題を解消した「Optane」

 フラッシュメモリの問題は、パフォーマンスではなく容量の最適化にある。さらにオンチップ(システム自体にメモリを組み込む構造)のアーキテクチャを採用する場合、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のようなランダムアクセス(任意のデータに直接的にアクセスする方式)による読み込みと書き込みができないことも問題となる。

 3D XPointはこれらの問題を解消した。3D XPointは、その名称の由来にもなっている3次元構造を取り入れることでランダムアクセスを実現している。DRAMやフラッシュメモリがメモリセルへの電荷の蓄積によって「0」と「1」を区別するのに対して、3D XPointはメモリセル材料の抵抗値の変化で「0」や「1」を区別する。

「ストレージクラスメモリ」を実現するOptane DCPM

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news179.jpg

生成AIの活用、意外と進んだマーケティング部門と進まない営業部門 どうして差が生じた?
HubSpot Japanが実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2025」のポイントを、記者説...

news013.jpg

Webサイト改善のゴール(KGI)と戦略(KPI)の決め方
連載第2回目となる今回は、Webサイト改善のためのゴール(KGI)と戦略(KPI)の設定方法...

news163.jpg

メルマガをきっかけにした商品購入、B2B商材ではどれくらいの人が経験?
ラクスが「メルマガに関する調査レポート」を公表した。メルマガ経由のサービス購入や資...