在宅勤務などのテレワークの動きが広がったことで、バックアップの手法を見直さなければならなくなる可能性がある。バックアップの基本から学び直すためのキーワードを紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に伴って在宅勤務などのテレワークが広がった現在、遠隔地にデータを複製する「リモートバックアップ」の重要性が高まっている。前編「『オフサイトバックアップ』と『オンラインバックアップ』の違いとは?」に引き続き、テレワークのバックアップを理解する上で重要な基礎用語を解説する。
パンデミックの影響を受け、企業の業務形態は一変した。過去にテレワークの経験がない従業員も、いきなりフルタイムのテレワークに切り替えざるを得ない状況になった。その結果、従業員の自宅などオフィス以外の場所で発生するデータを適切にバックアップする必要性が高まっている。パンデミックがもたらしたこうした変化は、今後も長く続く可能性がある。少なくとも、自宅で仕事をする従業員はパンデミック以前より確実に増えるだろう。このタイミングでリモートバックアップに関する基礎用語やキーワードを正しく理解しておこう。
バックアップに使用できるストレージシステムは多岐にわたる。リモートバックアップによく使用されるのが、バックアップ用ソフトウェアを内蔵した「バックアップアプライアンス」だ。バックアップアプライアンスは、企業データセンターの内外にあるデータのバックアップに利用でき、災害復旧(DR)の手段として役立つ。
暗号化などの適切なセキュリティ機能と、バックアップデータを確実に取得するための管理機能を備えたバックアップアプライアンスを選ぶことが重要だ。バックアップ用ストレージシステムとしては、バックアップアプライアンスの他にHDDベースの一般的なストレージシステムやクラウドストレージが候補になる。
「オフサイトバックアップ」は、データの発生場所から離れた遠隔地にバックアップデータを保管することを指す。クラウドストレージを利用する方法や磁気テープを使う方法がある。テレワークで発生するデータのオフサイトバックアップ先にはクラウドストレージが適している。どこからでもデータのバックアップと復旧が可能だという利点があるからだ。ネットワークを介してクラウドストレージにデータを送り、復旧時にはネットワークを介してデータを取得する。
「3-2-1ルール」に従う上で、オフサイトバックアップは有力な手段となる。3-2-1ルールとは、データのコピーを3つ持ち、2種類の媒体に保存し、コピーの1つを別の場所に保管することだ。
オフサイトバックアップよりも、データを利用する場所でバックアップデータを保管する「オンサイトバックアップ」の方が短時間で復旧できる。ただし従業員が在宅勤務をしていてデータセンターに誰もいない状況では、オンサイトバックアップは現実的ではない。
「オンラインバックアップ」は、システムを停止せずに常時バックアップできる状態にしておく方法だ。オンラインバックアップを提供するほとんどのベンダーが、何らかのクラウドストレージを使っている。そのためオンラインバックアップとは事実上“クラウドバックアップ”ということになる。
ユーザー企業はオンラインバックアップを採用すると、バックアップの実行を意識する必要がなく、バックアップの作業負荷がほとんどない。オンラインバックアップはIT担当者がオフィスにいてシステムの稼働状態を監視していなくても、ほぼ確実にバックアップデータを取得することができる。
オンラインバックアップは、保管するデータ量と保管期間によってはコストが課題になる場合がある。復旧手順は通常簡単だが、ネットワークを介してデータを取得するため時間がかかりやすい。データ量が膨大な場合は課題になる。
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