「Commvault」と「Veeam」を徹底比較【前編】
「Commvault」と「Veeam」とは? 2大バックアップ製品の長所と短所
データの損失は事業継続性の観点で企業にとっては致命的になる。そこで役立つのがバックアップ/リカバリー製品だ。その主要ベンダーCommvault SystemsとVeeam Softwareの製品の違いを探る。
データの損失はあらゆる企業にとってリスクになる。データをオンプレミスのITインフラに保存しているか、クラウドサービスに保存しているかは関係ない。データの損失は、ハードウェアの障害やエンドユーザーの操作ミスによって起きることもあれば、マルウェアへの感染など悪意ある攻撃によって起きることもある。自社のデータを適切に維持管理するために重要なことは、頻繁にバックアップを取ることだ。
本稿は、企業向けのバックアップ/リカバリー製品として定評がある、Commvault SystemsとVeeam Softwareの下記の2製品を比較し、相違点を紹介する。両製品は何が違い、それぞれの長所と短所は何だろうか。
- Commvault Complete Backup & Recovery
- Veeam Availability Suite
Commvault Complete Backup & RecoveryもVeeam Availability Suiteも、完成度、信頼性、機能性の高いバックアップ/リカバリー製品だ。両製品は多くの類似した機能を備えているが、それぞれ独自の機能もある。
バックアップと重複排除の対象が広いことが、Commvault Complete Backup & Recoveryの特徴だ。例えば「Google Cloud Platform」や「Oracle Cloud Infrastructure」のストレージサービス、オープンソースの「Xen」などのハイパーバイザーともシームレスに連携できる。
Veeam Availability Suiteは、豊富な自動化の機能を備えていることが特徴だ。ただしDR(災害復旧)用の自動化製品「Veeam Availability Orchestrator」の併用が必要な自動化機能が少なくない。
CommvaultとVeeamの長所・短所
Commvault Complete Backup & Recoveryはさまざまなベンダーの製品をデータ保護の対象としながらも、各機能が適切に動くことが長所で、この点で定評がある。Commvault製品は先に挙げたストレージサービスに限らず、「Windows Server」「Linux」「UNIX」といった各種サーバOSやOracle製のデータベース管理システム(DBMS)の他、ハイパーバイザーやアプリケーションも複数の製品をバックアップ対象としている。
反対にCommvault Complete Backup & Recoveryの短所は、初期構成に起因する導入作業の難しさにある。アドオン製品を追加購入することでしか利用できない機能もある。例えば拡張性を持たせようとすれば、スケールアウト型のストレージシステム「Commvault HyperScale」が必要になり、自動化機能を充実させようとすれば、自動化ツール「Commvault Orchestrate」が必要になる、といった具合だ。
Veeam Availability SuiteもCommvault Complete Backup & Recoveryと同じような機能を備えているが、導入や運用はVeeam Availability Suiteの方が容易だと言える。Veeam Availability Suiteはもともと仮想環境のデータをバックアップするために設計されたため、VMwareの「ESXi」やMicrosoftの「Hyper-V」といったハイパーバイザーによる仮想環境のデータ保護を得意としている。ただしVeeam Availability Suiteは近年、物理サーバやクラウドサービスにあるデータのバックアップ機能の追加を進め、より包括的にバックアップができる製品へと変わりつつある。
一方でVeeam Availability Suiteの短所を挙げるとすれば、アプリケーションのデータ保護機能がCommvault Complete Backup & Recoveryほど豊富ではない点だ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「Commvault」と「Veeam」を徹底比較
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] 取引先のセキュリティをどう管理する? 「SCS評価制度」対応の勘所を解説 -
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] SCS評価制度「★4」取得のカギ 最大の壁を突破する方法とは? -
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] 2026年度末から運用開始 「SCS評価制度」に備えて製造業がやるべきことは? -
事例
[ネットワンパートナーズ株式会社, アイビーシー株式会社] ハイブリッド環境の一元管理と快適な無線LAN環境、三井ホームはどう実現した? -
市場調査・トレンド
[TD SYNNEX株式会社] 調査で学ぶセキュリティ運用の実態 人を増やさず品質を維持する方法とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
5
“脱Excel”を待ち受ける乱立問題 カカクコムが新ツール導入を見送った理由
-
6
「WSUS」終了の時限爆弾 “本命”移行先ツールとMicrosoft提唱の新管理手法
-
7
VMware離れがやっぱり加速 2500台のVM移行に挑む製造大手から学ぶ現実解
-
8
「ひとり情シス」が急に退職 専門商社が外部パートナーと挑んだネットワーク刷新の裏側
-
9
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
10
ベテランエンジニアが直面する危機 半数が「ブルーカラーへの転向」を視野に
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー