事業継続管理者は、リスク評価能力を持つことが大前提だ。これに加えて、経営陣とBC/DR推進プログラムに関する合意形成をする力や、プログラムを進める粘り強さが必要になる。なぜこうしたスキルが必要なのか。
本連載はビジネスにおいて想定される災害が変化する中で、事業継続(BC)/災害復旧(DR)対策を策定、実施する事業継続管理者(Business Continuity Manager)に必要なスキルを紹介してきた(第1回「次世代の事業継続管理者に必須な“あのスキル”とは」、第2回「BIA、プロジェクト管理、そしてIT知識が事業継続管理者を助ける理由」、第3回「リスクが測れない事業継続管理者はいらない スキルをどのように生かすか」)。最終回である本稿は、残る3つのスキル「経営幹部と合意形成するスキル」「BC/DRプログラムを前進させる粘り強さ」「共感力」を解説する。
事業継続管理者は、BC、DR、レジリエンス(障害発生時の回復力)プログラムの価値とメリットを経営幹部に納得させる能力を求められる。このスキルを構築する鍵は、BC/DRとレジリエンス強化のために何をすべきかを理解して、プロフェッショナルならではの方法で説得力のあるメッセージを作り、伝えることだ。経営幹部からの反論を想定し、対処して、提案したプログラムのメリットを経営幹部に納得させる方法を習得する。事業継続管理者が適切なコミュニケーションとプレゼンテーションのスキルに、少々のセールスマンシップを組み合わせれば、提案を効果的に論証できる。
経営幹部からの抵抗にもめげずにBC/DRプログラムを前進させ続ける能力も、事業継続管理者にとって重要なスキルの一つだ。事業継続管理者は、
を覚悟しなければならない。
災害はビジネスや業務のみならず人々にも影響を与える。他者の立場になって、他者の懸念や問題を理解することは、事業継続管理者にとってますます重要なスキルになっている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)は企業における共感力の重要性を浮き彫りにした。パンデミックが一時落ち着いた際も企業は概して、従業員にオフィスへの復帰を要請するのではなく、テレワーク期間を延長した。その結果、従業員は子育てや感染対策などの問題に対処することができている。
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