「バーチャルイベント」に利用できるツールは幾つかあるものの、実現できることは大きく異なる。適切な選定のために、主要ツールの違いを理解しよう。
バーチャルイベント(デジタルイベント)を実現するツールには、大きく分けて次の3種類がある。
単なる遠隔会議を企画して、それを「バーチャルイベント」と呼ぶ場合がある。主催者がWebページを立ち上げたり、ソーシャルメディアでキャンペーンを実施したりしてイベントを宣伝することもある。それでも開催当日になれば、「Zoom」などのWeb会議ツールで実施するだけのWeb会議にすぎない。講演内容が良ければ経験する価値はあるものの、これをバーチャルイベントと呼ぶのは語弊がある。
Web会議ツールの代わりにウェビナーツールを使うことで、プレゼンテーションのレベルを引き上げるのは一つの方法だ。この手段を選択する企業は、生のプレゼンテーションとセミナー体験を再構成し、質疑応答管理ツールを聴衆に提供して、ライブセッションの双方向性をうまく再現している。こちらの方が単なる遠隔会議よりもライブのイベントに近いものの、参加者は「何かに参加している」という感覚を抱きにくい。
物理的なイベント体験を仮想的に再現しようとしているバーチャルイベントツールがある。こうしたバーチャルイベントツールは一般的に、実現可能な体験はWeb会議やウェビナーと同様だ。一方で下記のような、イベントならではの要素を取り入れている。
筆者はこうしたバーチャルイベントツールのアイデアが好きで、これこそがバーチャルイベントの未来だと考えている。ただしユーザーエクスペリエンス(UX)は理想とは程遠い。
後編は、バーチャルイベントツールが「リアルなイベントと比べると物足りない」理由を考察する。
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