Zoomがバーチャルイベント市場も制覇へ 「Zoom Events」強化の狙いはWeb会議だけじゃない、Zoomの成長戦略【前編】

Zoom Video CommunicationsはWeb会議以外の分野に事業を広げようとしている。具体策の一つが、バーチャルイベント運営ツール「Zoom Events」の強化だ。Zoom Eventsの進化から見える同社の戦略は。

2021年10月18日 05時00分 公開
[Mike GleasonTechTarget]

 Zoom Video Communicationsは2021年9月に開催したユーザーカンファレンス「Zoomtopia」で、自社製品/サービスの幾つかの新機能を発表した。主なものは

  • 大規模バーチャルイベントを開催するための新機能
  • Web会議中のコラボレーション機能における利便性の向上
  • テレワークとオフィスワークを組み合わせた業務形態である「ハイブリッドワーク」の課題解決のための機能

などだ。他にもWeb会議の基本機能やイベント運営の仕組み、チャットツールの機能を今後更新するという。

「Zoom Events」強化の狙いは バーチャルイベント市場の覇者へ

 「Zoom Video CommunicationsはWeb会議ツール『Zoom』の使いやすい機能が役に立ちそうなあらゆる分野に進出して、より大きな総合ベンダーになろうとしている」。調査会社Constellation Researchでバイスプレジデント兼アナリストを務めるディオン・ヒンチクリフ氏はこう予測する。

 Zoom Video Communicationsによると、同社のバーチャルイベントツール「Zoom Events」で10億人以上がWebセミナーに参加した。同社は2021年秋に、Zoom Eventsに新しいイベントタイプ「Conference」を追加する。これを使うと、イベント主催者は最大5日間のイベントを開催でき、最大13件のセッションを同時に実施できるようになる。主催者がブランディング戦略のメールマガジンやアンケートを送信したり、スケジュール作成機能や個別の交流チャットルーム機能を参加者に提供したりすることも可能だ。

 調査会社Metrigyでプレジデント兼アナリストを務めるアーウィン・レザー氏によると、Zoom Eventsへの参加とZoomのWeb会議への参加は、使い勝手がよく似ている。「Zoomのユーザーインタフェース(UI)に慣れているエンドユーザーは、別のバーチャルイベントシステムの使い方を学ぶよりも、Zoom Eventsで開催されるカンファレンスに参加したいと思うだろう」とレザー氏は語る。イベントに参加するために新しいことを学ぶ必要のない方を選ぶ、という見立てだ。

 新たにZoom Eventsに加わる「Backstage」という新機能は、発表者とパネリストがイベント本番前に打ち合わせをして、セッション中のチャットや質疑応答について確認できる控室のようなスペースを提供する。Zoom Video Communicationsは2021年中にこの機能のβ版を提供する計画だ。同社グループプロジェクトマネジャーでZoom Eventsの責任者を務めるパンカジ・プラサッド氏はZoomtopiaの基調講演で「この機能はイベント開催者から最も要望の多かった機能だ」と述べている。

 Zoom Video Communicationsの競合となるWeb会議ツールベンダー各社も、全社会議やWebセミナー、トレードショー(産業見本市)などを開催する機能を強化している。Cisco Systemsは2021年夏にSocio Labsの買収を完了し、リアルとバーチャルの要素を組み合わせたイベントを開催する機能をWeb会議ツール「Cisco Webex」に追加する。Microsoftは2021年前半にユニファイドコミュニケーション(UC)システム「Microsoft Teams」にWebセミナー機能を追加し、セッションの参加可能人数を引き上げた。


 後編は、ハイブリッドワーク向けの機能拡充やコンタクトセンター向け製品など、新しい領域を開拓する同社の狙いを考察する。

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