テレワーク中の電話応対のしにくさに不満を募らせた法律事務所。同事務所の救世主となったのが「UCaaS」だ。どのような成果があったのか。
競合事務所との競争が激しい法律業界では、顧客との目まぐるしいやりとりに迅速に応対する必要がある。英国の大手法律事務所Harrison Drury & Coは、既存のコミュニケーションツールに課題を抱えていた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、勤務形態をテレワークに切り替えたタイミングで同事務所が導入したのが、UCaaS(Unified Communications as a Service)だ。どのような成果を出したのか。
従来Harrison Druryでは、事務弁護士(法廷での弁論以外の法律事務を取り扱う法律専門職)は卓上の電話機を使っていた。この電話機を複数人で共有するのは困難で、迅速に応対できないことがあった。「訴訟によっては、数秒や数分といった時間が状況を左右することもある」とホームズ氏は語る。
Harrison DruryはコミュニケーションツールベンダーAvayaのUCaaS「Avaya Cloud Office by RingCentral」(以下、Avaya Cloud Office)を導入した。UCaaSは、クラウドサービス形式のユニファイドコミュニケーション(UC)システムだ。
Avaya Cloud Office導入により、Harrison Druryはビジネスコミュニケーションにかけるコストを削減しながら、事務弁護士が場所を問わずにAvaya Cloud Officeを利用できるようにした。具体的には以下を実現した。
Harrison DruryはAvaya Cloud Officeを採用したことで、業務効率が大幅に向上した。例えば以前は10~12回のクリック操作を要していた業務が、2回のクリック操作で済むようになった。IT部門の責任者を務めるマーティン・ホームズ氏は「Avaya Cloud Officeを使用して既に約4000件の電話応対を実施したが、事務弁護士からの問い合わせや苦情は1件も発生しておらず、ITスタッフはデータの分析や記録に注力できている」と語る。
Avaya Cloud Officeを活用することで、事務弁護士は誰が電話に応対可能なのかを確認できるようになり、転送や応答の確実性を高めることができた。その結果、応答できなかった電話件数はほぼ半減した。
Harrison Druryの事務弁護士は、Avaya Cloud Officeから個人の番号を割り当てられる。シングルサインオン(SSO)を使用して、モバイルデバイスやノートPC、デスクトップPCなど任意のデバイスからシステムにログインする。「どこにいても必要な全ての情報にアクセスし、顧客の要求に迅速に対処できる」(ホームズ氏)
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