米プロ野球のMLBは、Zoom Video Communicationsの「Zoom Contact Center」を導入して、試合のリプレー検証に透明性を持たせる仕組みを構築しようとしている。その結果、視聴者の観戦体験はどう変わるのか。
米プロ野球のMLB(メジャーリーグ機構)は2023年3月16日(現地時間)に、Zoom Video Communicationsとのパートナーシップ締結を発表。MLBは公式のユニファイドコミュニケーションツールにZoom Video Communicationsの製品群を採用し、MLBの試合や放送、オフィスでのコミュニケーションなど、さまざまな面を大きく変えていこうとしている。
例えばコンタクトセンターのクラウドサービス「Zoom Contact Center」とZoomのコア技術が、メジャーリーグの試合と放送に新要素を加えることになる。まず変わるのはリプレー検証だ。これまでリプレー検証に利用する機材については標準的な基準がなく、フィールドにいる審判と、スタジオにいる分析担当の審判員がコミュニケーションを取る方法は、音声通信だけだった。ファンは判断プロセスの蚊帳の外に置かれていた。
2023年シーズンからのリプレー検証は、主審(4人の審判のうち、最高権限を持つ審判)がZoom Contact Center経由で、審判員のいる「Zoomリプレーオペレーションセンター」につなぐことになる。
衛星放送・ケーブルテレビのメジャーリーグ専門チャンネル「MLB Network」と、サブスクリプション動画サービス「Apple TV+」の全米放送では、リプレー検証中のZoomリプレーオペレーションセンターの様子をライブで視聴できるようになる。ルールに詳しい専門家と放送席がリプレー検証についてやりとりするのを聞くこともできる。MLBがこの新しい手法を通じて目指しているのは、リプレー検証のプロセスに透明性を持たせ、納得感のあるものにすることだ。
後編はMLBがZoom Video Communicationsの製品群をどのように活用しているのかを具体的に解説する。
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