WiMAX推進者は、WiMAX端末はWi-Fi端末と同じくらい広く普及するという。それが事実なら、WiMAX端末は現在、一体どこにあるのだろう?
WiMAXとWi-Fiは競合する技術ではなく相互補完的な技術だと、WiMAX推進者は説明することがある。Wi-Fi端末にWiMAX機能を付加するための追加コストは安く済み、モバイルコンピューティング端末へのWiMAX付加率は高まるという。つまり、WiMAX端末はWi-Fi端末と同じくらい広く普及するというわけだ。もしそれが事実なら、WiMAX端末は現在、一体どこにあるのだろう?
WiMAXについて解説するシリーズ最終回となる本稿は、WiMAX端末にスポットを当てる。第1回はWiMAX技術、アプリケーション、用語解説、第2回はWiMAXの性能、第3回はWiMAXのセキュリティを取り上げた。
WiMAX端末の普及には時間がかかりそうだ。通信コンサルタント企業Maravedisは、2012年に2500万台のWiMAX家電が出荷されると予想する。しかしこれは、2007年に出荷された携帯端末11億3000万台、Wi-Fiチップセット3億個にははるかに及ばない。WiMAX家電出荷台数の伸びが鈍いのは、WiMAXサービスが普及していないことに起因する。一部のデバイスベンダーは、サービスが普及する前からWiMAX装置を提供し、早いうちに市場シェアを確保してブランドを確立しようとするだろう。しかし自分の地域でサービスが提供されていなければ、顧客がWiMAX端末を買うことはない。対照的に、Wi-Fi技術はWi-Fiサービスがあるかどうかに左右されない。ユーザーは企業のネットワークや自宅、ホットスポットでWi-Fi端末を活用できる。
どこででも利用できるモバイルWiMAXサービスをネットワーク事業者が導入するまでにはまだ何年もかかるとの判断から、デバイスメーカーはモバイルWiMAXに加えて第2世代(2G)と第3世代(3G)技術(EDGEとHSPAなど)に対応した端末の設計に力を入れるだろう。2G/3G技術でカバーエリアを網羅して音声に対応し、WiMAX技術でモバイルブロードバンドデータサービスを利用できるようにする(3GPP LTE:3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution技術が2010年に導入されれば同じことが実現される)。
WiMAXはノートPC、タブレットPC、ウルトラモバイルPC(UMPC)といったデータ指向端末の設計にも組み込まれるだろう。例えばNokiaはモバイルWiMAXとWi-Fiに対応した「N810 Internet Tablet」を投入した。この端末は、WiMAXを使った場合のバッテリー持続時間は3時間、価格は約450ドル。バッテリー持続時間はいずれ向上するだろう。出荷台数が増えれば1台当たりの価格も下がるはずだ。
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