決め手は「Office」?
Windows 10 vs. Andromeda、ユニバーサルOSの勝者はMSかGoogleか
開発者やIT管理者は、多種多様なOSやデバイスに対応したアプリを管理、構築しなければならない。だがWindows 10とGoogleがリリース予定のユニバーサルOSが、この状況を変えるかもしれない。
ユニバーサルOSにより、さまざまなフォームファクタのデバイスで使われるエンタープライズアプリケーションの開発や管理が容易になりそうだ。
モバイルデバイスとPCの両方で動作するユニバーサルOSは、IT部門が管理すべきOSや、開発者がアプリの作成において対応すべきOSを減少させる。市場で提供されている主要なユニバーサルOSは「Windows 10」しかないが、Googleが年内に独自のユニバーサルOSをリリースする見通しだと報じられている。Appleも「macOS」の最近のバージョンを「iOS」に近づけている。
「ユニバーサルOSはトレンドになるだろう。市場のOSはいずれこうした製品に絞られていきそうだ。IT管理の観点からすると、それが最も理にかなっているからだ」とVDC Researchのモバイルソフトウェア担当ディレクター、エリック・クライン氏は見る。
一貫性が肝心
GoogleのユニバーサルOSである「Andromeda」は、「Android」と「Chrome OS」を組み合わせ、GoogleプラットフォームベースのモバイルデバイスとPCで一貫した体験を提供することを目指している。開発者は現在、アプリを提供するに当たって、モバイルデバイス向けにAndroid用バージョンを、デスクトップ向けにChrome OSやWeb用バージョンを開発しなければならない。ユニバーサルOSにより、「将来のアプリケーション開発が容易になるのは明らかだ」と、フロリダアトランティック大学のCTO(最高技術責任者)を務めるマーラン・バジラトマンド氏は語る。
「ユニバーサルOSの最も便利な機能は、アプリがさまざまなフォームファクタのデバイスで使えることだ。こうしたOSの投入は、Googleにとって重要な戦略だろう。既存のChrome OSとAndroidは別物だからだ」(バジラトマンド氏)
ユニバーサルOSでは、開発者はさまざまなデバイスタイプ用にアプリをカスタマイズする必要がないと、City HarvestでITおよび情報セキュリティ責任者を務めるジェームズ・サフォノフ氏も指摘する。
「開発者は、誰がどのOS用のどのバージョンのアプリを使っているかを気にしないで済み、ユーザー体験の一貫性も向上する」(サフォノフ氏)
ただし、MicrosoftやGoogle、サードパーティー開発者は、アプリをユニバーサルOSに対応させる際は、どのフォームファクタのデバイスで動作する場合でも、アプリがネイティブな外観になるよう留意する必要があると、クライン氏は指摘する。モバイルアプリはPC上で間延びして見えてはならず、PCアプリケーションはモバイルデバイス上で窮屈に見えてはならないという。
また、ユニバーサルOSは、IT管理者が一貫した方法で管理を行うのにも役立つ。PCとモバイルデバイスで別々のOSの制御や安全確保を行わずに済むからだ。
「最近、従業員はスマートフォンを多用している。IT部門はいつも、こうしたデバイスをサポートしてほしいと頼まれている」。ITコンサルティング会社Five Nines IT Solutionsのダグラス・グロスフィールド社長兼CEOはそう語る。
今後の勢力図は?
MicrosoftとGoogleは、それぞれ異なる強みを持っている。StatCounterによると、Windowsは米国のPC市場で74.1%と支配的なシェアを握っており、Chrome OSのシェアは3.4%にとどまる。それでもChrome OSは、教育などニッチ市場で存在感を発揮している。Futuresource Consultingによると、2016年に高校までの教育機関向けに販売されたノートPCとタブレットのうち58%がChrome OSを搭載し、22%はWindowsを搭載していた。
だが、モバイルデバイス、特にスマートフォン市場では、Windowsは圧倒的な差をつけられている。Gartnerによると、同市場でのシェアは0.3%にすぎない。これに対し、Androidは世界で最も広く使われているモバイルOSであり、最大のアプリエコシステムを持っている。スマートフォン市場シェアは81.7%に上る。
ユニバーサルOSはMicrosoftとGoogleにとって、それぞれが従来弱かった市場を攻める武器になる。だが、Microsoftのビジネスアプリケーションへの支持に支えられ、Windows 10はAndromedaを引き離すだろうと、クライン氏は予想する。
「Microsoftには、『Office』という定番商品を持っている強みがある。Googleの名誉のためにいえば、同社の『G Suite』も優れているが、やはりOfficeとは違う」(クライン氏)
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