Googleは、同社のソフトウェア定義ネットワークインフラをネットワークエッジに拡張する「Google Espresso」の導入メリットを紹介した。その導入によって、Google Cloud利用者がPaaSで実行するアプリケーションの性能は飛躍的に向上するという。
2017年4月3〜6日に開催した、主にクラウドプロバイダーや通信サービス事業者向けのオープンテクノロジーをテーマとしたカンファレンス「Open Networking Summit」において、GoogleはEspressoを解説した。同社は世界各地の100カ所に設置したインターネットアクセスポイント「ポイント・オブ・プレゼンス」でEspressoを使用している。
Espressoは、Googleとインターネットサービスプロバイダーの間のトラフィックを仕分けるピアリングアーキテクチャだ。Googleの検索エンジンや個人ユーザーおよび企業向けオンラインサービスから発生するトラフィックをEspressoが処理する。EspressoはGoogleの全トラフィック量の20%をルーティングしている。Googleで発生するトラフィック量は膨大で、インターネットにおける全トラフィックの4分の1を占める。
Googleによると、Espressoではレイテンシ要件に基づいてアプリケーショントラフィックを優先順位付けする。例えば、ビデオ会議ソフトやVoIP(Voice over IP)はユーザーを満足させるための十分な帯域幅を必要とする。
Enterprise Strategy Groupのアナリスト、ダン・コンデ氏は次のように話す。「一部のIoT(モノのインターネット)アプリなどレイテンシ要件の厳しいアプリは、変化する状況に素早く反応することが求められ、高速なレスポンスを必要とする。ほとんどの企業では、Googleのエッジアーキテクチャのようなスケールと複雑さを備えた環境を独自に構築することは難しい。Google Cloudを利用すれば追加コストなしでその恩恵を受けられる」
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