VoIPで生産性向上と電話代削減を図るコスト削減+α

PBXからVoIPに移行した企業ユーザーは、「生産性向上や長距離電話代の節約で大きなメリットがあった」と振り返る。

2009年03月02日 07時30分 公開
[Elisabeth Horwitt,TechTarget]

 法律事務所の米Brinks Hofer Gilson & Lioneは2年半ほど前、旧式のRolm PBX(内線交換機)を捨てて全社的にVoIP(Voice over IP)を導入すべき時だと決断した。

 ロッド・セガシーCIOによると、移行は長いこと先延ばしになっていたという。17年目になるPBXは業務上、年中無休で稼働させる必要があり、同社が支払う技術者の超過勤務代や外部業者のサービス料、部品代はかさむ一方だった。さらに、移動や増設、変更のため、2カ所の拠点で配線の変更が必要だった。

 8カ月掛けてVoIP市場を調査した後、Brinksは米AvayaのVoIPプラットフォームを選定。VoIPのメインシステム、スイッチングバックボーン、補助用の社外バックアップシステムを含む基本インフラを2006年1月に導入した。2007年の初夏までには「厳密に金銭上の観点から見て“完全以上”のROI(投資収益率)を達成した。生産性向上も含めると、ROIは初日から上回っていた」(セガシー氏)という。

 セガシー氏によると、長距離通話料金だけでも月額1万8000ドルを回収できた。オフィス間通話はすべて同じ専用のDS1(T1)回線を利用した社内電話になり、料金が掛からなくなった。国際電話もほとんどがVPN接続経由で無料になった。

 長距離電話代の削減に加え、「follow me」(通話を自動的にユーザーの端末または所在地に転送する)や統合型メッセージングといったIPテレフォニーアプリケーションが生産性上もたらしたメリットは大きかった。例えば最近日本に出張した社長は、本社にかかってきた顧客からの電話をノートPCのIP電話で受けることができ、大いに感心していたという。

一筋縄ではいかないVoIP移行

 過去数年の間にVoIPは、先端の技術からテレフォニーにおいて避けることのできない次のステップへと進歩した。「旧式の設備の入れ替えや新しい設備への移行では、ほとんど選択の余地なくIPになる」と、米Nemertes Research Groupの主席リサーチアナリスト、アーウィン・レザー氏は言う。

関連ホワイトペーパー

VoIP | CIO | データ統合 | ROI | コールセンター | IP電話 | ISDN


ITmedia マーケティング新着記事

news043.png

AppleとMetaの戦い――AR・ウェアラブル領域で、勝つのはどっち?
Metaは年次イベント「Meta Connect 2024」において最新のARグラス「Orion」のプロトタイ...

news056.jpg

2024夏アニメの人気維持率 「負けヒロインが多すぎる!」の特異な動き
ブシロードのグループ会社であるゲームビズは「アニメビジネスインサイト『データで見る2...

news063.jpg

約8割の人が経験する「見づらいホームページ」 最も多い理由は?
NEXERはくまwebと共同で「見づらいホームページ」に関するアンケートを実施した。