製造業向けBIツールには、オーソドックスなものに加え、製造現場のリアルタイムデータを分析できるものなど多様な製品がある。それらの中から最適なものを選択するために考慮すべきポイントを紹介する。
製造メーカーがビジネスインテリジェンス(BI)システムを構築する際には、データの集約、クレンジング、同期に加え、指標の定義や分析対象の設定など、さまざまな事項を考慮する必要がある。だが、どのようなシステムでも、根幹を担うのはBIの重い処理をこなすソフトウェアとハードウェアだ。ツールの選択を誤ると、間違いなく高価な失敗につながる。
例えばリアルタイムデータ、もしくはほぼリアルタイムのデータに焦点を当て、製造工程の最大限の効率化を目指す製造インテリジェンスツールがある。一方、各種のデータベース上のトランザクション履歴データに焦点を当て、それらをキューブ化して分析する従来型のBIツールもある。この2つを両極として、BIツールにおける対象データの選択や分析のアプローチはさまざまに異なっている。
「この分野のベンダーは、混乱を招こうとしているように見える。多くのBIベンダーが製造現場に目を向けて、リアルタイムデータを扱おうとしている。それは、彼らがもともと得意としてきたことでは必ずしもない」と、Aberdeen Groupのシニアリサーチディレクター、マシュー・リトルフィールド氏は語った。逆に、一部の製造インテリジェンスソリューションプロバイダーは、メーカーが製造データをビジネス系システムと結び付けて分析するためのツールの提供を進めている。
ベンダー各社は多様な製品を売り込んでいるが、その中から最適なものを選択するコツはいろいろある。以下では、BIツールの選定を始めるに当たって考慮すべき7つのポイントを紹介する。
RFP(提案依頼書)の作成は、入札を募り、ソリューションを購入するための唯一の方法ではない。だが、RFPを作るとなると、企業は何が本当に必要なのかを明確にすることを迫られる。それが重要な出発点になる。
「要件を明確に定義しなければならないのは常識だ。それは外部の人間にはできない」と、Forrester ResearchのBI担当主席アナリスト、ボリス・エベルソン氏は語った。「時間をかけて要件を文書化しなければならない」
BIベンダーがITと製造業務の両方の言葉を話せるか。
「ベンダーがIT、製造の両部門とうまくコミュニケーションを取り、協力して仕事ができることが、製品購入の大前提だ」とリトルフィールド氏は語った。「わたしなら、そのような良好な関係が築けるベンダーとしか付き合わないだろう」
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