まだ本格的ではないが、着実に影を落とすスマートフォンセキュリティへの脅威。企業で導入する前に、具体的にどのような脅威が存在するかを把握したい。最新のセキュリティ状況と対策をトレンドマイクロに聞いた。
ユーザーと企業の双方が業務利用に前向きな姿勢を見せるスマートフォンおよびタブレット端末は、非常にユニークな存在だ。
特にコンシューマ市場での普及が進むスマートフォンは、企業にとっても注目の的だが、「(お客様とお話しする中で)現状は具体的な利用目的を明確にしないまま、取りあえず導入してみたいという企業が多い」と、トレンドマイクロ マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャーの転法輪浩昭氏は言う。
スマートフォンはユーザーが操作に慣れており、導入における教育や心理的ハードルが比較的低い。企業にとっても“超ミニノートPC”のスマートフォンは、通話に加えて、カレンダーやスケジュール管理、在庫管理など、多様な場面で活用できる。会社支給の携帯電話をスマートフォンに置き換える、または社員が使用するスマートフォンを企業内で利用するなど、最適なビジネスモデルを模索するフェーズにある。
とは言うものの、こうした具体的な活用方法よりも興味が先行しているのが現状だ。さらに、活用方法を決める前にセキュリティ対策を導入しようとする傾向が見受けられると転法輪氏は指摘する。
「スマートフォンのセキュリティは、どこまで業務で使うかによって変わってくる。まずは、どういう人たちがどういうサービスをスマートフォンで使っているのか洗い出し、業務での使い方を積極的に考察することが先決だ」(転法輪氏)。そうすることで、スマートフォンに対する脅威も明確になり、実施すべき対策は具体化する。
活用方法が決まれば、つぶすべき脅威を洗い出して対策を打っていくことになる。
スマートフォンの脅威は、大きく5つに分けられる。
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