従業員はiPhoneやiPadなどを職場に持ち込み、自分たちをオフィスから解放してくれる携帯端末に仕事用のデータをどんどん移すようになっている。
IT部門の好むと好まざるとに関係なく、従業員は自分のiPhoneやiPad、Android端末、BlackBerryなどを職場に持ち込んでくる。「長いものには巻かれろ」だ。携帯電話のセキュリティポリシーを確立し、スマートモバイル端末の増殖をコントロールする責任はIT部門にある。
「経営陣はガジェットを好むものだ」と話すのは、米Jewelry Televisionの仮想化アーキテクト、ウェス・ベーカー氏。携帯端末の提供に向け経営陣が何年も前からIT部門を後押ししてきた一方で、身勝手な一般従業員は、自分たちをオフィスから解放してくれる携帯フォーマットに仕事用のデータをどんどん移すようになっているという。
無理もない。インターネットとそれを取り巻く各種機能のおかげで、走りながらでも、仕事へ向かう途中でも、あるいは犬を散歩させながらでも、たまった仕事をどんどん片付けられるのが現状だ。南アフリカのSMMT Onlineの最高技術責任者、ジェームズ・エーンズリー氏は「ユーザーは生産的でありたいと思っている。現在のような経済環境で、情報から切り離されている余裕はない」と話す。
携帯端末の販売が急増している背景には、どこでも自分の好きなところで働く自由が欲しいというユーザーの欲求が表れている。米調査会社Gartnerによると、2010年4〜6月期に売れた携帯端末は3億2560万台に上り、前年同期に比べて13.8%増加した。特にスマートフォンは突出しており、2010年4〜6月期の販売は前年同期比50.5%増となった。世界の携帯端末販売に占めるスマートフォンの割合は19%に達している。
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