カスペルスキーは、企業向けエンドポイントセキュリティ製品の最新版を発表した。振る舞い検知やレピュテーションベースの保護機能などを追加した他、複数端末の一元管理を実現する管理ポータルを刷新した。
カスペルスキーは10月13日、エンドポイントセキュリティ製品の最新版「Kaspersky Endpoint Security 8 for Windows」を発表した。前版からコードの7割近くを書き換えるなど、保護機能や制御機能を大幅に強化。インタフェースも直感的かつ見やすさを意識したものに刷新した。
セキュリティ機能として、従来のシグネチャベースの保護に加えて、同社のセキュリティ研究所「Kaspersky Security Network(KSN)」の情報などを基にしたリアルタイムの保護(レピュテーション技術)、振る舞い検知機能を追加した。誤検知を最小限に抑えながら、増え続けるインターネット上の脅威に早期対応するという。
同社コーポレートマーケティング部 部長の田村嘉則氏は今回の機能強化の背景について「カスペルスキーの確認では、企業を脅かす亜種(マルウェア)の数は1日に約7万件発生している。インターネット経由で何かをダウンロードした際の感染率は実に14回に1回に上る。企業はクラウドやモバイルの活用で業務効率化やコスト削減を図るのと同様に、セキュリティ対策にも同様の配慮や注視をする必要がある」と昨今のIT分野を取り巻く状況を踏まえながら説明し、カスペルスキーとしてもその要望に応える機能強化を図ったとしている。
最新版でもう1点特徴的な強化ポイントとなるのが、アプリケーション、端末、Web閲覧の詳細な制御機能だ。ユーザー単位、スケジュール単位(就業中は許可など)の他、Active Directoryと連携した部門単位で、アプリケーションや利用端末(USBやBluetoothなどの接続バスを含む)の利用、閲覧URLの許可、禁止、警告ができる。ユーザーを脅威から保護するだけでなく、アプリケーションの利用制限などでネットワークリソースの効率利用を実現するという。
加えて同社は、物理/仮想環境問わずにクライアント端末の一元管理を可能とするポータル「Kaspersky Security Center」を発表した。マルウェアやWindowsワークステーション、Windowsサーバに対応し、複数のクライアント端末管理、セキュリティポリシー管理などを可能とする。
Endpoint Security 8 for Windows、Security Centerともに発売は10月31日を予定している。なお、今後のロードマップとして、Linux、Mac OS、Android版のエンドポイントセキュリティ製品も2011年11月以降に順次発表していく計画という。Android版については2012年3月まで無償提供を行い、スマートフォンのセキュリティ対策の重要性を発信していきたいとした。
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