IT部門の許可なく事業部がIT技術を勝手に採用する「影のIT」は、SaaS導入に伴う混乱を発生させる一因となる。防ぐには「アメとムチ」が必要だ。
企業はSaaS(Software as a Service)のメリットを享受しようと躍起だが、それが時として組織に害をもたらすこともある。IT部門の手助けを必要とせずにサービスを構築できる容易さは、混乱に直結しかねない。SaaS採用の戦略が定まっていなければ、IT部門はプロバイダーとの関係維持とID管理で苦労する羽目になる(参考記事:中堅・中小企業の安易なSaaS移行はトラブルを招く)。この苦労を避けるために必要なのはSaaS採用の戦略だ。
SaaS絡みの混乱は、組織がその採用のための計画を立てていない場合に起こる。米コンサルティング企業、HyperStratusのバーナード・ゴールデン最高経営責任者(CEO)によると、これはIT部門によくある問題であり、「常に発生している」という。残念ながら、SaaS戦略を持たないことのデメリットを組織が認識しておらず、手遅れになることも多い。
ゴールデン氏は言う。「混乱に気付くのは恐らく、混乱が生じた時点よりずっと後になってからだ。例えば『あっ、その社員辞めたんですね。会社のSaaSアプリケーションは3つですが、彼は他にも4つのコアアプリケーションを業務で利用していたようでした』と気付いたときかもしれない」
「影のIT」、つまり、IT部門の許可なくSaaSのようなIT技術が勝手に採用されることも原因の1つだ。事業部門は時として、業務上のニーズを満たすためにSaaSを採用した方が、IT部門に話を通すよりも簡単で手っ取り早いと考える。IT部門もまた、こうしたアプリケーションの取り扱いや、ベンダーとの関係を維持するための戦略を持たなければ、自らも混乱に加担することになりかねない。
米コンサルティング会社、Stony Point Enterprisesのクラウド戦略責任者ビル・コリントン氏は「2社のSaaSプロバイダーが3社になり、そして4社に対応しようとしながら、全て問題ないと自分に言い聞かせることはできる。しかし私に言わせれば、複数のSaaSプロバイダーを相手にする場合の最大の問題は、スタッフがベンダー管理に時間を取られすぎてしまうことだ」と話す。
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