今後はモバイルに軸足
Facebook、次に変えるのは「モバイルアプリ」
デスクトップPCの世界で膨大なユーザーを獲得してきたFacebookが、モバイルに軸足を移そうとしている。Facebookとの連携で、今後モバイルアプリはどう変わるのか?
米Facebookは学生たちのコミュニケーションの在り方を変えた。マーケッターが消費者にリーチする在り方も変えた。そして今度は、モバイルアプリ開発者のアプリケーション開発の在り方に波を起こそうとしている。その手段となるのが「Facebook Technology Partners」と呼ばれるプログラムだ。
このFacebookの新しいプログラムは、Facebookと統合するモバイルアプリの開発支援を目的としたもので、米国企業のStackMob、Sencha、Corona Labs、Kinvey、Outercurve、Parse、Adobe、Prime 31、Thuzi、Trigger.ioがプログラムの参加企業に選ばれている。
FacebookがHTML5対応モバイル端末の市場をけん引
Facebookのこの動きは大きな影響をもたらすかもしれない。その理由は幾つかある。
まず、HTML5対応ブラウザを搭載したモバイル端末が増えている。米ABI Researchのデータによると、「2013年末までに、消費者が手にするHTML5対応ブラウザ搭載モバイル端末は14億台に上る」という。また、StackMobのタイ・アメルCEOは、「FacebookはHTML5対応ブラウザ搭載モバイル端末市場をけん引するエンジンのようなものだ」とコメントしている。アプリ開発者にとって、Facebookは技術情報などをシェアするソーシャルシェアリングのハブになるだろう。
また、米Facebookは2013年4月18日に、いわば人間関係のデータベースであるソーシャルグラフに外部サイトからアクセス可能とする技術「Open Graph」をモバイルアプリケーションと統合するためのAPI、「Open Graph API」を発表した。アメル氏は、Open Graph APIを使って航空路線情報のモバイルWebアプリケーションを作成するメリットについて次のように話す。
「Open Graphは、複数の情報を組み合わせて提供するアプリを開発するための第一歩となる新技術だ。搭乗する飛行機の遅延情報だけでなく、お気に入りのエリアにどんなバーやレストランがあるかという情報も同時に提供できる」
Open Graph API では、Facebookからモバイルアプリケーションへのログインが簡単に行えるようになっている。モバイルアプリケーションを使うユーザーが増えるほど、Facebookは消費者についての情報が多く得られる。FacebookのWebサイトには次のように記載されている。「(統合した)モバイルアプリケーションはFacebookのログインを通る必要がある。ログイン後にユーザーは各自のFacebookのアカウント情報を使ってアプリにサインインできるようになる。アプリ、Facebook、ユーザー間の関係が確立されたら、アプリからストーリーを公開するようユーザーにリクエストできる」。
モバイルの世界に軸足を移し始めているFacebook
Facebook Technology Partnersは、モバイル向けWebアプリ開発絡みで発足した数あるプログラムのうちの1つだ。参加企業のSenchaは、Webアプリ開発フレームワークである「Sencha Touch」とHTML5を使って、FacebookクライアントWebアプリ「Fastbook」を開発した。Senchaのプロダクトマーケティング担当アディチャ・バンソッド副社長は、「2013年世代のスマートフォンはHTML5を使うことで魅力が引き出されるだろう。Fastbookはその実例だ」と話している。Senchaによると、JavaScriptフレームワークを使えば、タッチ操作対応Webアプリを開発することができるとのことだ。
どのベンダーがパートナーになるにしても、Facebookは正しい策を講じて、デスクトップを脱し、モバイルの世界に軸を移そうとしている。
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