VMI最大のデメリットは、オフラインのときにはリモートアプリへアクセスできないことである。従業員が飛行機に乗っていたりインターネット接続が不安定な地下室などの場所にいたりする場合、必要なアプリにアクセスできなくなってしまう可能性がある。これでは従業員は不便を感じるだろう。IT部門としても、こうした不便によって従業員の生産性が低下したり、IT部門が管理していないIT製品/サービスが業務利用される「シャドーIT」が進む事態は避けたい。
従業員が必要なときにリモートアプリへアクセスできるようにするには、無線信号に固有の揺らぎなど、モバイル接続に関するあらゆる問題に対処できる高速かつ信頼性の高いVMIプロトコルを提供しなければならない。また接続に全く問題がない場合でも、リモートアプリがネイティブアプリと同等のパフォーマンスを発揮することはまずないことも把握しておく必要がある。
開発者にとっては、接続元端末のOSを問わずリモートアプリの適切な動作を保証するといった面倒な作業をする必要がある。AppleがiOS向けアプリを簡単に開発できるようにしていないこと、Androidがさまざまな形式で提供されていることが、この作業を難しくする主な要因だ。
VMI市場の最有力ベンダーとしては、米Raytheon、イスラエルNubo Software、米Hyporiなどが挙げられる。米Citrix Systemsは、買収したVMIベンダーFramehawkの技術を使用して、信頼性の低いネットワークでもリモートアプリを提供できるようにする見込みだ。他にも高い資金力を持つ幾つかの企業が、間もなく市場に参入することが予想される。
Microsoftは、Windows端末でAndroidのVMを稼働可能にするアプリ「BlueStacks」を開発した米BlueStacksと協力し、スマートデバイスからクライアントPCまでさまざまなWindows端末で動作する「ユニバーサルWindowsアプリ」の仕組みをVMIに組み込むとみられる。これにより、リモートアプリが接続元の端末を認識し、端末に合わせてユーザーインタフェースを調整できるようになる。
これまで、VMIはVDIに近い道筋をたどってきた。今後のVMIの命運を決めるのは、IT管理者がモバイルアプリを安全に展開する上で、VMIを現実的な選択肢と見なすかどうかに掛かっている。
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