「ベアメタルクラウド」の長所と短所、ビッグデータ分析の“現実的な選択肢”となるか欠点を理解すれば大きな武器になる

ベアメタルクラウドサービスは、物理サーバとパブリッククラウドのメリットを組み合わせたものだ。だが、全てのワークロードに適しているとは限らない。その長所と短所とは。

2017年04月11日 15時00分 公開
[Stephen J. BigelowTechTarget]
Amazon EC2 Dedicated Hosts AWS「Amazon EC2 Dedicated Hosts」のWebサイト《クリックで拡大》

 パブリッククラウドサービスには、管理者に完全な可視性と制御を提供しないものがある。これは、特に変化するワークロードのパフォーマンスとセキュリティについていえることだ。一部のプロバイダーは、ベアメタルクラウドを提供することで、この問題に対処している。

ベアメタルクラウドサービスとは

 ベアメタルクラウドサービスは、IaaS(Infrastructure as a Service)の変化形だ。ベアメタルクラウドサービスでは、一般的に仮想化層のないシングルテナントサーバをユーザーが借りて構成できる。一方のベアメタルクラウドは、パブリッククラウドの柔軟性とスケーラビリティだけでなく、ローカルサーバの予測可能性、粒度、セキュリティを保証している。

 多数のIaaSサービスは仮想化したクラウドインスタンスで構成している。だが全てのワークロードが、仮想化したクラウドインスタンスで適切に運用できるわけではない。例えば、物理ハードウェアへのアクセスが必要なレガシーアプリケーションや、安定性が重要でスケーラビリティは不要なワークロードには、ベアメタルクラウドが適している場合がある。

 ベアメタルクラウドサービスは他のクラウドサービスと似ている。Amazon Web Services(AWS)の「Elastic Compute Cloud(EC2)」インスタンスや、Microsoftの「Microsoft Azure」の「DシリーズVM」のようにアクセスできる。ベアメタルクラウドサービスが他のクラウドサービスと大きく違うのは、サービスが仮想マシン(VM)ではなく物理サーバにマップされている点だ。サーバが仮想化されることはめったにない。そのため、ユーザーはサーバ全体に対して直接かつ完全にアクセスできる。これには、サーバのコンピューティングリソース、ストレージリソース、ネットワークリソースが含まれる。ベアメタルクラウドインスタンスは、従来のサーバとほぼ見分けが付かない。だが、一般的にパブリッククラウドプロバイダーと同じオンデマンドのレンタルモデルを使用している。

 ベアメタルクラウド市場には多数のプロバイダーが存在する。例えば、Oracle、IBM、baremetalcloud、Rackspace、Internapなどだ。

 MicrosoftやGoogleなどの大手パブリッククラウドプロバイダーは、強力なベアメタルクラウドサービスを提供していない。AWSは「Amazon EC2 Dedicated Hosts」サービスで、ベアメタルクラウドサービスを実現しつつある。Amazon EC2 Dedicated Hostsでは、1台の物理サーバを特定のユーザー専用に提供している。

クラウド ナビ


ベアメタルクラウドサービスの長所と短所

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...