金融取引を扱うEuroclearは、迅速性と法規制対応を高めるためファイアウォール管理の自動化に着手。ファイアウォールルールを管理していたExcelの廃止とリスク低減を実現した。
ポストトレード(取引成立後に行われる各種業務)のバックオフィス処理プロバイダーEuroclearは、AlgoSec製品で自社のファイアウォールを管理し、セキュリティプロセスを自動化している。
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金融取引を行う企業は、マイクロ秒単位で取引する環境でアルゴリズムトレードを運用している。そのため、ポストトレード処理にも迅速性が求められる。同時に、規制の厳しい金融サービス業界ではセキュリティが最優先事項になる。
ベルギーに本拠地を置くEuroclearは、取引成立後の金融取引を扱う。同社は、AlgoSecのセキュリティ管理スイートを使用してセキュリティの可視性を改善し、セキュリティ処理を自動化している。
Euroclearは2012年に「AlgoSec Firewall Analyzer」を導入し、同社インフラ全体のセキュリティの可視性を高めた。2013年には「AlgoSec FireFlow」を導入してファイアウォール構成の変更管理を自動化した。この自動化プロジェクトは6カ月かけて実施され、150台のセキュリティデバイスをサポートした。
Euroclearでセキュリティエンジニアを務めるブノワ・デルリュー氏は、フランスで開催されたカンファレンスで、ファイアウォールルールの変更によって生じる脆弱(ぜいじゃ)性を特定することは非常に難しく、現実性がないと語った。だがインフラが複雑でも、金融サービスのような規制の厳しい業界で企業を運営するにはこうした脆弱性を特定できなければならないとも指摘する。
FireFlowを採用するまで、Euroclearはファイアウォールの変更要求を「Microsoft Excel」で文書化し、定型化していないプロセスを使って承認していた。つまり、全ての変更を手動で行っていた。このようなプロセスを採用していたため、同社が1週間に対応できる変更はせいぜい20件までだった。
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