無料/低予算で利用できる
個性が光るメールクライアント4製品比較、脱「Outlook」には何がいい?
「Outlook」は代表的なメールクライアントだが、企業によってはOutlook以外の選択肢を検討したい場合もあるだろう。十分な機能を備えた4つの代替製品について、長所と短所を比較してみた。
現在、企業で利用されている代表的なメールクライアントは「Microsoft Outlook」(以下、Outlook)だ。
Outlookは企業向けに豊富な機能を備えており、「Microsoft Office」や「Office 365」との連携は特に優れている。しかし企業によっては、ライセンス料金やその他の理由から、Outlook以外の選択肢を検討したい場合もあるだろう。
幸い、低予算で利用できるメールクライアントにも十分な機能を備えるものがある。MicrosoftのOfficeスイートとの連携ではOutlookに及ばないとしても、代替製品を検討してみるとよいだろう。
導入を検討するIT担当者は、それぞれの長所と短所を確認しよう。
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Thunderbird:Firefoxと連携
「Mozilla Thunderbird」(以下、Thunderbird)はオープンソースのメールクライアントとして人気があり、無料で利用できる。「Linux」「Windows」「macOS」に対応している。Webブラウザの「Firefox」に直接統合することもできる。
Thunderbirdは基本的なカレンダー機能とチャット機能も備えている。他の企業向けメールクライアントと同じく、POP3(Post Office Protocol version 3)サーバを構成して、リモートサーバからユーザーの端末に直接メールを取得できるようにすることも、IMAP(Internet Message Access Protocol)サーバを選択して、ネットワークデータベースに保存したメールをローカルメールのように扱うことも可能だ。
ただ、ThunderbirdはOutlookほど洗練されていない。MozillaにはThunderbirdの開発に割り当てるリソースがあまりなく、バグ修正もユーザーのバグレポートに頼っている。
複数のバージョンをまたいで未修正のままになっていたバグもある。例えば、POP3フォルダのデータが破損する問題や、サイズの大きな添付ファイルの保存とアップロードのエラー、「McAfee Anti-Spam」との非互換性などだ。対応策として、他のスパム対策アドオンを利用したり、大きな添付ファイルにはThunderbirdのリンク機能を使ったりする方法がある。
ThunderbirdがOutlookより優れているところは、互換性の範囲が広く、Linuxと「UNIX」にもネイティブで対応している点だ。OutlookはLinuxとUNIXでは「Outlook Web App」としてしか使用できない。
Outlookの機能のうち、Thunderbirdではアドオンで対応しているものも多い(メールを後で送信する機能や、「Google Calendar」との接続など)。Thunderbirdではユーザーの要件に応じてユーザーインタフェース(UI)をデザインしたり、機能を選択したりできる。
Mailbird:機能を絞ったメールクライアント
「Mailbird」は簡潔なUIとシンプルな機能が特徴だ。大半の企業向けメールクライアントは機能を豊富に用意しているが、Mailbirdはユーザーに必要な機能のみに絞っている。
例えば、複数アカウント間の切り替えや、メール通知をオフにする機能を提供している。一部の機能は有料のサブスクリプションが必要となる。カレンダー機能もその1つだが、「Googleカレンダー」や、「Facebook」のイベントとの連携にも対応しており、Outlookより安価に利用できる。メッセージサービス「WhatsApp」など他のアプリケーションとも自由に統合可能だ。
OutlookはWebブラウザの「Microsoft Edge」と連携でき、ThunderbirdはFirefoxと連携できるのに対し、Mailbirdは、メールクライアントを離れることなく組み込みのアプリケーションセクションからアドオンのWeb機能を利用できる。
MailbirdはIMAPとPOP3のサーバに対応している。唯一の短所は、サーバ情報の入力と各エンドポイントとの接続を手動で設定する必要がある点だ。
FastMail:有料だが豊富な機能を提供
「FastMail」は企業向けのメールクライアントを安価で提供する有料サービスだ。IMAPとPOP3のサーバに対応し、高度なスパム検出機能やカスタマイズ性の高い機能セットとUIを提供する。
メールの表示、テキストの書式、ルールを使ったメールのフィルター処理などの機能があり、メール通知に各種の設定を選択できる。カレンダー機能では、イベントの通知と招待や、カレンダーと他のWebアプリケーションの同期が可能だ。
代替メールクライアントはセキュリティ機能が足りないと思われがちだが、FastMailは2段階認証(2FA)の手段を幾つか用意している。新しいログインコードを生成する認証アプリケーションや、ワンタイムパスワードを生成する認証機器、モバイル端末にコードを送信するショートメッセージがある。モバイル端末ではFastMailへの2FAをサポートしていないため、認証アプリケーションを使う必要がある。
FastMailで送信できる添付ファイルの上限サイズは50MBで、Outlookの2倍以上だ。ただ、現在は共有データベースやクラウドストレージを利用する場面が増えており、添付ファイルの上限サイズはそれほど重視する必要がないかもしれない。
Zoho Mail:Officeスイートの一機能
「Zoho Mail」はZohoが提供するWebベースの有料Officeスイートに含まれている。無料版もあるが、IMAPとPOP3への対応など多くの重要な機能は有料版のみで提供される。
組織全体でMicrosoft OfficeからZohoのOfficeスイートに乗り換えれば、OutlookとMicrosoft Officeの関係と同じような利点をZoho Mailで利用でき、スイート全体で共通のユーザーアカウント設定を使用することも可能だ。Zoho Mailはソーシャルメディアのように利用でき、タグ付けや、全社規模のディレクトリ、チャット風機能によるファイルとフォルダの共有が使える。
管理者はユーザープロファイルで複数のメールIDを集約できるので、エンドユーザーは業務用のメールと共有メールで求人応募者やセールスなどの最新情報を受け取ることができる。自動応答やメールのスレッド表示など、企業向けメールクライアントの標準的な機能が設定可能だ。
Zoho Mailを採用するとしたら、Microsoft Officeの代わりにZohoのOfficeスイート全体を導入するとよいだろう。
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