ビジネスプロセスの意思決定にAI技術を活用することについて、働き手は警戒している。どうすれば信頼を得ることができるか。専門家が解説する。
「現在導入されている最新のAI(人工知能)ツールは、正確性または説明可能性もしくはその両方の点においてまだ理想には達していない。AI技術がうまく機能したとしても、特定のケースでは正確性が低下する恐れがある」。米サンフランシスコでRE-WORK X(Re・Work)が開催したカンファレンス「Applied AI Summit San Francisco」において、AI技術企業Afreshの共同設立者兼最高技術責任者(CTO)を務めるウォロディミル・クレショフ氏は聴衆に警告した。
AI技術による自動化の対象として、どのビジネスプロセスに関する意思決定が適切かは、現在のAIツールの機能だけでなく、企業の能力にも左右される。企業はリスク許容度やAIのトレーニング、テストの厳しい条件に対処しなくてはならない。
拡張分析システムを開発するMarvelous共同設立者兼CEOのダニエル・デイブレル氏は「機械に食べさせるしかないと思える平たいパンを作るようなプロセスがある」と話した。AIエンジンの質が低下しても、そのプロセスはわずかでもパンを作り出す。だが、飛行機や車の運転ではそうはいかないと同氏は言う。
リスクの低い意思決定のワークフローであっても、時折人が調査して新たな問題を特定し、意思決定エンジンに送られるデータを整理する必要がある。「データ収集の初期段階や意思決定プロセスの後半に人手が必要になる可能性がある」とデイブレル氏は話す。
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