パブリッククラウドではコストや運用管理、コンプライアンスに関する問題を抱える可能性がある。どのような場合でクラウドからオンプレミスにシステムを戻すことが適切な判断となるだろうか。
オンプレミスからパブリッククラウドにシステムを移行して成功したケースは数え切れないほどある。それにもかかわらず、パブリッククラウドへの移行は企業にとって必ずしも希望に満ちあふれたものばかりではない。パブリッククラウドからオンプレミスへのシステム移行を検討している企業、あるいは既に実行に移した企業は少なくない。企業がパブリッククラウドからオンプレミスにシステムを戻す主要な理由として挙げられるのは、以下の5つだ。
パブリッククラウドの魅力の一つは、仮想マシン(VM)やストレージといったリソースを従量課金制で調達できるため、時間当たりのコストを抑えられる可能性があることだ。例えば利用したストレージ量、発行したリクエスト数、データ転送量などが課金の対象となる。こうしたリソースをオンプレミスのデータセンターに導入し、自前で運用、保守することと比較すると、パブリッククラウドが驚くほど安価な選択肢に見える場合もあるだろう。
ただしパブリッククラウドで注意すべき点がある。パブリッククラウドはリソースの使用量や時間といったさまざまな単位で料金が発生する幅広い課金体系を採用している。ユーザーはその中から好みに合わせて選択できる。こうした幅広い課金体系のサービスで最終的に発生するコストを予測することは簡単ではない。コンピューティング、ストレージ、データ転送といった中核的な機能以外にも利用するサービスがある場合はさらにコストの予測が難しくなる。
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