最近の「クラウドRPA」は、RPAソフトウェアの中核機能であるbotの開発方法やアプリケーションとの連携方法を多様化させている。その鍵となるのが「API」だ。
「bot」と呼ばれるソフトウェアロボットを使って業務を自動化する「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)ソフトウェア。そのクラウドサービス版である「クラウドRPA」の市場が成長しつつある。前編「『クラウドRPA』とは何か? 普通のRPAソフトウェアとの違いは」に続く本稿は、RPAソフトウェアではなく、クラウドRPAを利用する利点を説明する。
従来のRPAソフトウェアの場合、botを開発するには、RPAソフトウェアのbot開発ツールの画面内でキーボードを打鍵したり、マウスをクリックしたり、画面をスクロールしたりする必要があった。キーボードとマウス操作を伴うbotの開発方法は生産性を高めにくく、自動化対象のアプリケーションのUI(ユーザーインタフェース)が変われば改修が必要になる。
最近の主要なクラウドRPAは、bot開発時にこうした方法だけでなく、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)も利用できるようにしている。例えばMicrosoftのクラウドRPA「Power Automate」では、botがキーボード入力とマウスのクリックをまねる代わりに、APIを通じてアプリケーションを制御できる。
ソースコードの記述なし、または最小限のソースコード記述のみでアプリケーションを開発できる「ノーコード/ローコード開発」ツールと、クラウドRPAは何が違うのか。双方を比較したときのクラウドRPAの最大の利点は、エンドユーザーのアプリケーションの使い方をそのままアプリケーション開発に反映できる点にある。このため管理者がエンドユーザーのアプリケーションの利用状況を把握しやすくなり、業務効率の良いbotを開発しやすくなる。APIやノーコード/ローコード開発ツールを使うためには専門知識を必要とするが、クラウドRPAは比較的簡単に利用できるのも特徴だ。
クラウドRPAは、bot開発の分かりやすさと、ノーコード/ローコード開発ツールと同等の生産性や拡張性をもたらす可能性がある。
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