IaaSの可用性を高める3つのポイント【後編】
「高可用性IaaS」が本当に必要かどうかを考える5つのヒント
IaaSの可用性を必要以上に高めようとすると、インフラの複雑さやコストが増大する可能性がある。HAが本当に必要かどうかを考えるための5つの観点を説明する。
アプリケーションのインフラとしてIaaS(Infrastructure as a Service)を選択すれば、ロードバランサー(負荷分散装置)サービスなど、高可用性(HA)の実現を支援するクラウドサービスを簡単に利用できる。ただしアプリケーションごとに可用性の要件は異なる。ユーザー企業はHAの実現を支援するクラウドサービスを利用する前に、自社のニーズを評価しなければならない。前編「SLAの『99.9%』は何を意味するのか 必要な可用性を計算する方法」と中編「可用性に無駄金を使わない基礎知識 『IaaS』の主な構成要素とは?」に続く本稿は、IaaSでHAを実現するための3つのベストプラクティスのうち、最後の3つ目を説明する。
3.HAが必要かどうかを評価する
可用性を向上させるためのクラウドサービスを利用する前に、以下の5つの点を自問する。
1.可用性を高くする必要性はあるかどうか
HAを実現しようとすると、概してコストとシステムの複雑さが増大する。可用性を高く保つことが必ずしも最適とは限らない。
2.可用性を高く保つことがコストに見合うかどうか
併せて読みたいお薦め記事
可用性を確保するにはどうすればいいのか
ダウンタイム(システム停止時間)が発生したときの復旧までにかかる予測時間と、エンドユーザーの反応を考える。そしてダウンタイムの許容最大時間を計算し、その要件を満たす具体的なHA実現計画を立てる。IaaSの可用性とダウンタイムを監視して記録することが、ダウンタイムの許容最大時間を把握する方法の一つになる。
3.HAによって達成を目指す目標は何か
データ処理の高速化など、可用性向上に関する自社の目標を明確化する。アプリケーションがもたらす価値や用途に対して、稼働時間の要件が適しているかどうかを検討する。
4.HAの実現が必要以上の複雑さを招いていないかかどうか
HAは、さまざまな技術や手法によってもたらされる。それらは併用し、組み合わせることができる。より低いコストでHAを実現するシンプルな方法を検討する。
5.HAが意図通りに機能しているかどうか
HAの実現を支援するクラウドサービスの導入後に、その成果を評価することで、導入が成功しているかどうかを確認する。自然災害などの実際に起きた混乱と照らし合わせて効果を評価する。インフラを監査し、定めた要件を満たしているかどうかを確かめることも必要だ。インスタンス(仮想マシン)に障害が発生したら、SLA(サービス品質保証契約)に規定された時間内にインスタンスが回復する必要がある。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
5
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
6
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
7
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
8
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
9
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
10
「プログラマー不要論」にThe Linux Foundationが示した答え
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
10
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー