メガクラウドは“史上最悪の酷暑”に耐えられるのか? GCPやOCIで起きたこと気候変動がクラウドデータセンターにもたらす影響【前編】

2022年7月、英国で観測史上初となる40度以上の気温を記録した。大手クラウドベンダーのデータセンターでは、この熱波で何が起こったのか。GoogleとOracleのデータセンターを例に、その影響を探る。

2022年08月18日 08時15分 公開
[Caroline DonnellyTechTarget]

 英国では2022年7月19日(現地時間、以下同じ)に、観測史上初めて気温が40度を超えた。記録的な熱波で、大手クラウドベンダーの英国内のデータセンターでは問題が発生した。

記録的熱波でクラウドデータセンターはこうなった

 Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」では、ロンドンにあるリージョン(地域データセンター群)「europe-west2」で冷却システムの障害が発生し、20日に解消した。同社のWebサイトによると、この障害で仮想マシン(VM)サービスの異常終了が生じ、一部のユーザー企業が影響を受けた。Googleはユーザー企業に対し、この障害が続く間は、問題を回避するためにワークロード(アプリケーション)を欧州にある他のリージョンに移して再起動することを勧告した。

 OracleのWebサイトによると、同社のクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)でも、ロンドンにある「UK South」リージョンの冷却インフラが猛暑の影響で影響を受けた。同社はハードウェアの温度上昇に伴う故障を防ぐために、一部のインフラの電源を切った。「ユーザー企業に長期的な影響が出る可能性を抑えるために、この措置を講じた」とOracleは説明する。

 障害が起きている間、Oracleのユーザー企業は、UK Southリージョンで稼働するOCIサービスを利用できなくなった。Oracleは障害が起きた原因として「季節外れの気温」を挙げている。障害は同月20日に解消した。


 後編は、気候変動がITベンダーに及ぼす影響を説明する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news119.jpg

スマホ時間の奪い合い「利用者増えても、利用時間は減少」 唯一の勝者は?
データマーケティング支援のGlossomは、「スマートフォンでのメディアとコマースの利用に...

news100.jpg

生成AI時代のコンテンツ制作の課題 アドビが考える解決法は?
求められる顧客体験はますます高度になる一方で、マーケターのリソースは逼迫している。...

news067.jpg

「イカゲーム」とコラボ ジョニーウォーカーが黒ラベルを“緑”に もしかして、これって……?
世界的な大ヒットとなったNetflixオリジナルドラマ「イカゲーム」のシーズン2公開が近づ...