サステナビリティを目指す企業の取り組みの中、データセンターの「ネットゼロエミッション」実現は重要な役割を果たす。そもそもネットゼロエミッションとは何なのか。具体的な対策は。
2021年10月〜11月、気候変動に対処するための国家間連携の強化を目指した「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議」(COP26)が英国で開かれた。気候変動を受け、企業にとってより一層「サステナビリティ」(持続可能性)を高め、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの排出量を削減することが重要になっている。特にデータセンターは大量の電力を消費するため、大きなてこ入れが必要だ。
企業はまず、ファシリティ(建物や設備)の設計やシステムの運用方法の工夫によって、データセンターのサステナビリティがどのように向上するかを理解する必要がある。本稿は、システムを環境に優しい形で構築・運用する「グリーンIT」(グリーンコンピューティングとも)の課題や可能性を探りつつ、企業がサステナビリティを実現するために何をすべきかを考える。
気候変動による影響の深刻化を背景に、各国の企業が2050年までに「ネットゼロエミッション」(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す動きを活性化させている。ネットゼロエミッションを実現するためには、データセンターの電力の使用効率を高めたり、再生可能エネルギー由来の電力を利用したりする工夫が必要だ。
ネットゼロエミッションを実現するために、企業がデータセンターの新設や増設に際して実行できることには、例えば以下がある。
上記で取り上げたのは、ネットゼロエミッションに向けたファシリティに関する取り組みだ。これに加えて企業はシステムに関する下記の取り組みに注力すれば、データセンターのネットゼロエミッションを実現しやすくなる。
特に大規模なデータセンターの場合、人工知能(AI)技術を搭載した監視ツールを使用して設備管理の自動化を図ることも有効だ。企業はアンテナを張ってグリーンIT技術の進化について情報を収集し、既存の技術とどう連携できるかを考える必要がある。
後編は、データセンターのネットゼロエミッション実現を目指した企業の取り組みを紹介する。
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