IDCの見方では、クラウドインフラ向けハードウェア支出額は増加する見込みだ。一方で従来型オンプレミスインフラ向けハードウェア支出額も増えると同社はみる。インフラ市場で何が起きているのか。
オンプレミス型のプライベートクラウド(リソース専有型クラウド)を含めて、クラウドインフラを構築するためには、サーバやストレージといったハードウェアが必要だ。こうしたクラウドインフラ向けのハードウェア支出額が増加傾向にあると、IT調査会社のIDCは説明する。一方で従来型オンプレミスインフラ(非クラウドインフラ)の構築ニーズは消えつつあるのかというと、実はそうでもないという。同社の市場調査結果から明らかになった、インフラを取り巻く“真実”とは。
クラウドインフラ向けハードウェア支出額の、2022年から2027年までの年間平均成長率(CAGR)は11.2%になるとIDCはみる。2027年には、クラウドインフラ向けハードウェア支出額は1530億ドルになると同社は予測。この支出額は、ハードウェア支出総額の69%を占める規模になるという。
非クラウドインフラ向けハードウェアへの支出額も、クラウドインフラほどではないものの成長を維持するというのが、IDCの見方だ。同社によると非クラウドインフラ向けハードウェア支出額は、2022年から2027年までCAGR1.3%で増加。2027年には686億ドルに達すると同社は予想する。
「2023年は企業向けIT市場が停滞している」と、IDCでアナリストを務めるクバ・ストラースキ氏は指摘。オンプレミスインフラの中では比較的堅調だった、オンプレミス型プライベートクラウドの構築ニーズにも、鈍化の傾向が見られるという。
オンプレミス型プライベートクラウドを含めた、クラウドインフラ向けハードウェア支出額は、2023年には2022年比7.3%増の964億ドルになるとIDCは予測する。ただし、この支出額の相当な部分は「サプライチェーンの遅れによって累積したハードウェア需要に起因する」(ストラースキ氏)という。DellやHewlett Packard Enterpriseなどのハードウェアベンダーでは、納品の遅れが生じていた。
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