英国のイーストアングリア大学でCIOを務めるショーン・グリーン氏は、さまざまなプロジェクトに取り組んできた。多彩な経験を持つ同氏がCIOとして生み出した功績とは。
英国のイーストアングリア大学(The University of East Anglia、以下UEA)で最高情報責任者(CIO)を務めるショーン・グリーン氏は、大学全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進役を担っている。民間企業に所属した経験や、公的機関との事業を経て得た経験を生かし、UEAのCIOに着任後、運用計画の策定からDXプロジェクトの推進など幅広く業務に当たっている。そうした取り組みに並行して、同氏はサステナビリティ(持続可能性)に関心を寄せ、大学の修士課程で研究を進めている。
グリーン氏はこれまでサポート窓口へのチャットbot導入やセキュリティ対策を進めてきた。同氏の計画はそれだけにとどまらない。さまざまな職務を抱えているにもかかわらず、同氏はかねて関心を寄せるサステナビリティについて研究する時間を捻出し、英ダービー大学(The University of Derby)の修士課程で戦略的なサステナビリティの管理を研究している。サステナビリティ自体に関心を持つだけでなく、IT分野にサステナビリティをどう取り込めるかについても検討を進めている。
サステナビリティの研究は、UEAのCIOとしての職務にも役に立つとグリーン氏は語る。UEAは、1960年代に建設された同校のビルを刷新する1億ポンド規模のキャンパス開発プロジェクトに取り組んでいる。「これはサステナビリティの考えを取り入れるまたとない機会だ」(同氏)
これはスマートキャンパスモデルを構築する好機でもある。UEAはIoT(モノのインターネット)を試験的に導入し、キャンパスの管理システムとIoTを連携させるネットワークの変革に着手する計画だ。
グリーン氏の最大の功績は、UEAに所属する研究室が使用するIT設備の運用だと言える。IT設備の運用には、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)施設の管理も含まれる。同氏は研究室専用のITサポートチームを編成し、HPCのアップグレードに100万ポンドの投資を計画している。
UEAのCIOとしての役割について、将来活躍する数千人に上る次世代人材の育成や、地球温暖化や生物多様性といった世界を一変させる研究に貢献することも含まれるとグリーン氏は考えている。「このような研究に貢献できるのは非常に有意義な職務だと感じている」(グリーン氏)
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