英国のある大学がサポート窓口にAIチャットbotを導入した。その施策について同校のCIOは、「これは画期的な施策だ」と語る。その理由は。
英国のイーストアングリア大学(The University of East Anglia、以下UEA)は、同校のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める一環で、ITサポート窓口に人工知能(AI)技術を活用したチャットbot(AIチャットbot)を導入することを決めた。同校で初めての導入となるこのAIチャットbotによって、問い合わせ応対の業務効率は大きく改善する可能性があると、同校の最高情報責任者(CIO)ショーン・グリーン氏はみる。
グリーン氏はAIチャットbotの導入について「革新的なことだ」と語る。エンドユーザーがサポート窓口に問い合わせをすると、チャットbotが最初の対話相手となり、エンドユーザーが抱える問題の解決に役立つナレッジデータベースのリンクを提供する。「最終的には自動ツールと連携して、二次対応(エスカレーション)ができるようにしたいと考えている。これは二次対応形式を取るサポート窓口で一般的に実施していることだ」(グリーン氏)
このAIチャットbotの運用はまずITのサポート窓口で実施する。グリーン氏は、いずれは他部門のサポート窓口にも導入し、最終的にはUEAのWebサイトにも採用する計画を立てている。
大半の学生は電話ではなく、Webを使って問い合わせをしたいと望む傾向にある。「学生はスマートフォンを使ってあらゆることをしているため、AIチャットbotの導入はエンドユーザーである学生にとって画期的な施策になる」(同氏)
UEAのITサポート窓口では毎週1000件前後の電話による問い合わせに回答している。その50%ほどはAIチャットbotで解決できるとグリーン氏は予測する。
次回は、教育機関にとって重要なセキュリティの取り組みについて聞く。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サイバー攻撃の脅威から自社を守るには、従業員のセキュリティ教育を効率的・効果的に行い、一人一人の意識を向上させることが重要だ。その実践を“自動化”でサポートするサービスを取り上げ、機能や特徴を紹介する。
技術系キャリアを検討する女子生徒は増加傾向にあるものの、全体的に見た割合は十分ではない。IT分野が女子生徒から敬遠されてしまう理由とは。
オンライン教育の導入により、教育機関はさまざまな場所に存在する学習者の主体的な学習を促し、評価する必要に迫られた。その有力な手段となり得るデータ分析の取り組みを事例と共に紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機にオンライン教育が普及した。これに伴い、教育活動で収集するデータの分析や活用に教育機関が頭を悩ませている実態が浮き彫りになった。
学生や教職員など多様な立場の人が関わる大学で、誰もが満足するIT製品・サービスを導入するのは至難の業だ。テネシー大学の事例から5つのこつを紹介する。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...