富士通は、ルータ/スイッチに続いてUC分野でもシスコと戦略的提携を結んだ。既存のレガシーPBXのIP移行を図りつつ、CRMや業種別アプリケーションなどとIP-PBXを連携させる製品を順次投入する。
富士通とシスコシステムズは4月16日、ユニファイドコミュニケーション(以下、UC)分野で戦略的な提携を行うと発表した。電話機・携帯端末や業務アプリケーションが連携する仕組みを作り、富士通が大企業・中堅企業向けに販売する。将来的にはデータセンターサービス化を目指す。富士通 ネットワークサービス事業本部本部長の川妻庸男氏は、既存のPBX(構内交換機)のリプレースも見据えながらUC対応製品を段階的に投入し、国内で普及が遅れるUC市場をけん引したいと語った。
UCとは、電話などの音声、メッセージング、ビデオ会議、データ通信といったコミュニケーション手段をIPネットワーク上で統合するソリューションのこと。両社の提携では、「既存のアナログ電話による音声システムのIP化」「アプリケーション連携」「多様なモバイルインフラへの対応」を目的に、お互いの製品をつなぐUCソリューションを提供していく。
具体的な取り組みの第一弾として、シスコ製IP-PBX・呼制御製品「Cisco Unified Communications Manager(旧Cisco Unified CallManager)」(以下、Unified CM)を中核に連携する製品を提供。既存のPBXから移行するためのIPトランク(PBX用のVoIP接続モジュール)や、Unified CMとスマートフォン・構内PHSを接続するアクセス装置を同日販売開始した。5月中旬にはグループウェア「TeamWARE」やCRM(顧客関係管理)アプリケーションといった富士通のソフトウェア製品を連携させるミドルウェアをリリースする。
また7月には、こうしたUC基盤と連携できるアプリケーションを拡大する取り組みとして、医療・流通業向けパッケージなど他社製業種別アプリケーションが連動可能なAPIや、細かなカスタマイズにも対応できるCRM連携用ミドルウェアを用意する予定だ。
富士通では提携を通じて、将来的には同社の企業向けネットワークサービス「FENICS II」のICT(Information and Communication Technology)サービスメニューとしてUCを提供する考え。一方シスコは、世界のUC市場でトップシェアを達成した販売実績を基に技術的な支援を行うとともに、自社のビデオ会議システムやテレプレゼンス製品と国内のモバイル機器との連携ソリューションを獲得できるとしている。
今回の提携は、2004年にキャリア向けコアルータ/スイッチ製品での両社の包括的提携をUC分野にまで広げたもの。戦略的な提携であり単なるリセラー契約ではないことを川妻氏は強調する。「国内のUC市場はまだ未成熟。シスコと新しいポートフォリオをつくることで、顧客にUCへの気付きを与え、TCO削減や生産性向上につながることを伝えていきたい」
富士通は提携を通じて「2012年度までに40%のトップシェア獲得を狙う」(川妻氏)とした。
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