今日のコールセンターにおけるSIPのメリットとは落とし穴もあり

通信制御プロトコルSession Initiation Protocolのメリットと課題、導入に際して考慮すべきポイントについて説明する。

2009年01月21日 08時00分 公開
[Donna Fluss,TechTarget]

 SIP(Session Initiation Protocol)は、VoIPベースのコールセンタープラットフォームで用いられる技術であり、2つの重要かつ非常に実用的なメリットを提供する。第1のメリットは、システムに接続しているユーザーあるいはデバイスの位置と状態を特定できること。2番目のメリットは、異なるコールセンターツールまたはPBX(内線交換機)との間の相互運用性を実現できることだ。この2つのメリットは、企業にとって大きな経費節減につながる可能性がある。複数のACD(Automatic Call Distribution:自動着信呼分配装置)やPBXを配備する必要が少なくなるのに加え、電話料金も節約できるからだ。

SIPの用途とメリット

 SIPは優れたコンセプトをベースとする技術であり、SIPを効果的に使うことで、以下に示す素晴らしい可能性を実現できる。

  • 世界中に配備されたさまざまなコールセンター技術を容易に、かつ費用効果の高い方法で連携することが可能になる
  • 必要なACDの台数を減らすことができるので、技術、メンテナンス、ITスタッフに掛かるコストを大幅に削減できる
  • 企業が購入・サポートしなけばならない「エンドポイント」(電話機、PCベースのIP電話、PDA、携帯電話などのテレフォニー対応デバイス)を大幅に減らすことができる(現在では、ビジネスパーソンが高価なデバイスを4台も使っているケースもある)
  • リモート(在宅)のオペレーターの配備と管理が容易になる
  • エンタープライズルーティングソリューションの必要性が減少するため、電話料金を大幅に削減できる
  • 大規模な追加投資なしにディザスタリカバリの強固な基礎を築くことができる

 要するに、SIPは素晴らしい柔軟性を備え、今日の多くのTDM(時分割多重方式)ベースのコールセンターの物理的境界と制約を取り払う。

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