2010年12月15日 08時00分 UPDATE
特集/連載

誤送信対策製品紹介:富士通ビー・エス・シー編独自の暗号形式を搭載した誤送信対策ソフトウェア「FENCE-Mail」

富士通BSCの「FENCE-Mail」は、独自の暗号形式「FENCEブリーフケース」を強みとした誤送信対策製品だ。ゲートウェイ型とSaaS型、2つの提供形態に対応する。

[上口翔子,TechTargetジャパン]

 富士通ビー・エス・シーの「FENCE-Mail」は、電子メールの「監査(一時保留と承認)」および「本文と添付ファイルの自動暗号化」機能を搭載した誤送信対策製品だ。暗号技術を得意とする同社のセキュリティソリューション群「FENCEシリーズ」の1つに位置付けられ、提供形態はゲートウェイ型(FENCE-Mail For Gateway)とSaaS(Software as a Service)型(FENCE-Mail Cloud)の2タイプがある。

 同社が提唱する誤送信対策は、メール作成時の誤操作をシステム側で防止する事前対策と、本文および添付ファイルを暗号化することで万が一外部にメールが送信された後でもパスワードを知らせるまでは情報漏えいを防止できる事後対策の2点だ。上記で紹介した機能(監査および自動暗号化)により、その操作を実現している。

本人または第三者によるメール監査

 まず、メール監査の機能では、管理者側で事前に設定した社内ルール(ポリシー)に一致するメールをサーバ上に一時保留する。保留時には、送信者にその旨をメールで通知し、送信者はWebブラウザ上の専用画面で保留中メールの確認、修正、承認(送信)、削除ができる。

 設定できるルール(保留される条件)は、例えばメール本文や添付ファイルの中に「機密情報」「個人情報」関連の語句を含んでいるかどうかなどである。語句は管理者側で任意に設定でき、それらをFENCE-Mailが自動検査する。

 また、Web画面上での承認操作は送信者本人にはさせず、必ず上長もしくはプロジェクトリーダーが行うといった設定も可能だ。こうした設定は、企業の運用ルールによって柔軟に変更できる。

alt FENCE-Mailの概要

本文や添付ファイルを自動暗号化

 次に自動暗号化機能を紹介する。こちらも、管理者側が事前に設定した暗号化ルールに従って処理を行う。ルール条件は、受信者のメールアドレスまたはドメインごとに設定でき、送信者は意識せずに通常のメール送信操作で本文や添付ファイルをパスワード付きのファイルに変換することが可能だ。

 復号に必要なパスワードは、ランダムまたは固定パスワードを暗号化ルールに応じて自動生成し、メール送信後すぐに送信者に通知が行く。受信者は基本的に送信者が伝えるパスワードで本文や添付ファイルを開くことができるが、システム側で直接、パスワードを受信者に通知するよう設定することもできる。

sk_fujitsubsc03.jpgalt 自動暗号化をしたときの受信者側の操作イメージ。PDF形式で運用した場合(左)とFENCEブリーフケースで運用した場合(右)《クリックで拡大》

複数の暗号形式を用意

 本文および添付ファイルの暗号(変換)形式は、「FENCEブリーフケース」「パスワード付きPDF」「パスワード付き自己復号」「パスワード付きZIP」「FENCE-Pro暗号鍵」の5種類から選択できる。中でも特徴的なのが、FENCEブリーフケースと呼ばれる同社独自の暗号形式だ。

 FENCEブリーフケースは、同社が無償提供している閲覧・編集ツール「FENCE-Explorer」がインストールされた端末であれば、AES(Advanced Encryption Standard)形式で保護されたフォルダ内で、データを編集・閲覧できるというものである。FENCE-Mailのほか、同社の暗号化ソフトウェア「FENCE-Pro」でもサポートしている。FENCEブリーフケースで作成したフォルダは、USBメモリや電子メールで持ち運びができ、かつモバイル端末からのアクセスにも対応している。

暗号ルールごとに個別メッセージも設定可能

 さらにFENCE-Mailでは、自動暗号化を行った場合に、そのルールに応じて個別メッセージを本文内に記載しておくことも可能だ。例えば、社内あてにはパスワードのヒントとなるような文面を入れたり、FENCEブリーフケースを初めて使用する外部ユーザーあてには、閲覧・編集ツール(FENCE-Explorer)のインストールページを案内したりできる。

スモールスタートにも対応する簡単導入

画像 富士通ビー・エス・シー パッケージ&サービス本部 FENCE開発事業部 FENCE開発部 担当課長 松山啓介氏

 同社 パッケージ&サービス本部 FENCE開発事業部 FENCE開発部 担当課長の松山啓介氏はFENCE-Mailの特徴として、「導入が容易である」点を挙げる。FENCE-Mailの導入に当たり、管理者側で新規に設定する必要があるのは「メール監査、自動暗号化のルール」および「SMTPサーバの設定」の2点である。

 個々のクライアントPCにエージェントソフトをインストールする必要がなく、既存のメール環境をそのままに、専用のゲートウェイサーバを追加すればよい。社内メールサーバの外側にFENCE-Mailを配置することで、既存環境に影響を与えることなく運用を開始できるという。

 「クライアントタイプのように専用ソフトウェアのインストールは不要なため、例えば特定部署からスモールスタートをして、その後どこかの部署でクライアントを100台追加するといった場合でも、その日から、すぐ適応できる」(松山氏)

 現在はFENCEシリーズの既存ユーザーである金融や公共機関などでの導入が進んでいるFENCE-Mailだが、今後同社はFENCEブリーフケースの普及拡大なども視野に入れ、幅広い企業向けに提供を拡大していく構えだ。

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