企業のBCP(事業継続計画)策定に関するアンケート調査リポート
震災後、企業のBCP(事業継続計画)はどう変わった?
BCPに関する意識調査により、半数以上の企業がBCPの策定/見直しに取り組むことが分かった。一方で、必要性は分かるが、どのリスクを優先的に対処すべきか方法が分からないといった課題も見えてきた。
TechTargetジャパンでは2011年4月14日から27日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「企業のBCP(事業継続計画)策定」に関するアンケート調査を実施した。3月11日に発生した東日本大震災前後でのBCP策定状況や、今後企業がBCPに取り組む上での課題、必要とするIT製品・サービスなどが見えてきた。
本稿では、調査の一部を抜粋して紹介する。
※本調査で扱ったBCPとは、計画停電などを見越した在宅勤務の導入や、サーバ/データセンターなどITシステム面での対策を中心とした。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員BCP策定状況と策定時の課題について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年4月14日(木)~27日(水)
有効回答数:177件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
全体の65.5%が東日本大震災で何らかの影響を受けた
回答者の属性は、割合が多い順に従業員数11~1000人の中堅・中小企業が56.6%(n=100)、1001人以上の大企業が37.3%(n=66)、10人以下のSOHOが5.6%(n=10)だった(不明n=1含む)。地域別では、関東(61.0%、n=108)、関西(13.6%、n=24)、北陸・中部(10.7%、n=19)、中国・四国(7.9%、n=14)、北海道・東北(6.2%、n=11)で回答が得られた。
東日本大震災が事業に与えた影響を被害状況別に4段階で聞いたところ、最も多いのが「直接影響ないが一時的に事業を縮小」で、40.7%だった。「直接的被害により、事業活動を縮小」(23.7%)と合わせると全体の65.5%が何らかの被害を受けたことが分かる。
地域別に見ると、北海道・東北では18.2%が「被害が大きく企業活動が停止した」。被災地から離れた関西でも、54.2%が「直接影響はないが一時的に活動を縮小」と回答するなど、日本全国に影響が及んだことが分かる。
具体的な被害内容は「計画停電などによる業務遅延や停止」(56.6%)、「営業/サービス停止による売り上げ停止」(38.3%)、「物流被害」(35.7%)などが上位に挙がった。
BCP策定状況はツール導入前のリスク洗い出し段階
震災後、BCPに対する意識変化があるか聞いたところ、41.2%が「既存のBCPに不備を感じ拡充・改定が必要」、27.1%が「これを機にBCP策定に取り組む予定」と回答。震災の影響がないとした企業(全体N=177の27.1%)でも27.1%が「これを機にBCP策定に取り組む予定」とするなど、東日本大震災は企業のにBCP策定意欲に何らかの影響を与えたことが分かる。
今後、BCPを策定する/策定予定の回答者に現段階でのBCP策定状況を聞いたところ、「絞り込んだリスクへ取るべき対応の検討」フェーズが最も多く29.1%。「ツール導入・運用中」「必要となるツールの検討」は合わせて19.2%にとどまることから、現状ではツール導入前のリスク洗い出し段階にある企業が多いことが分かった。
対象となるリスク項目上位は「サーバなどのITインフラ障害」
BCPを策定する上で対象となるリスク項目は、「サーバ停止などのITシステム障害リスク」が最も高く、70.9%だった。さらにITシステム障害リスクの中でも、「サーバなどのインフラ停止」(83.0%)、「災害時の普及(DR)」(80.0%)、「データ保護」(67.0%)の順に関心が高い。
上記で挙げた課題を解決するために導入予定のIT製品・サービスについては、「データのバックアップ&リカバリ」が最も多く38.4%。続いて25.4%が「リモートアクセス環境の構築」を選択した。
調査では、上記のように具体的に導入予定の製品ジャンルを挙げる一方で、適切な予算が確保できないことから、費用対効果が明確なIT製品・サービスを導入したいといった意見も聞かれた。また、そもそもBCPの必要性は分かるが、どのようなリスクにどう優先的に取り組むべきか分からない企業も多いようだ。さらに直近の課題として、夏場の電力対策(計画停電)について(計画停電の)範囲内で29.0%、範囲外でも26.0%がどのように夏を乗り切るか、不安を感じているようだった。
企業のBCP策定に関するアンケート調査の詳細な結果は以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果と共にアンケート回答者の詳細な属性も紹介されているので、ぜひ参照されたい。
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