2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震。東北や関東エリアは大きな打撃を受け、流通業にもその影響は広く及んだ。流通各社は果たして、この災害に備えどのようなBCP対策を講じてきたのか。
流通業界の事業継続計画 (BCP)活動に関する1つのリポートがある。流通事業者向けEDIサービスを手掛けるプラネットが2010年11月に発表した「消費財メーカー・卸売業における災害対策アンケート(2010年7月実施) 第2回調査報告書」(2010年11月1日発行)がそれだ。
同リポートは、プラネットがユーザー企業626社に対して実施したBCP活動に関するアンケート調査(有効回答、185)を取りまとめたもの。その調査項目には「今後、何年以内に大規模震災が発生する可能性が高いと考えるか」「事業継続計画の対策状況は」といった質問も含まれるなど、流通業界のBCP活動の実態が伺えるものとなっている。なお、質問の結果は、前者は「10年以内」が過半数に上り、後者は「策定済」と「策定中」を合わせて3割強であった。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震から始まった東日本大震災によって、東北・関東地区を中心に国内の流通業は大きな被害に遭った。では、流通各社は震災に先立ち、BCP活動にどう取り組んでいたのか。また、実際の被害はどれほどの規模だったのか。さらに、今後の復興に向けた課題とは何なのか。
本連載の第1〜4回では同リポートに加え、流通各社のBCP活動の啓蒙に取り組んできたプラネットの取り組みと、同社の代表取締役社長を務める玉生弘昌氏のコメントを交えつつ、流通業のBCP活動と東日本大震災の被害を概観する。
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