クラウドストレージの理解に役立つ3つのホワイトペーパーホワイトペーパーレビュー

新たなストレージ環境として注目されている“クラウドストレージ”。本稿では、クラウドストレージを実現する技術要素や活用事例などに関するコンテンツを紹介する。

2013年05月02日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 TechTargetジャパンが2012年7、8月に会員を対象に実施した「企業のストレージ利用状況に関する調査」によると、クラウドストレージの利用状況について、全体の19.6%が「クラウドストレージを利用している」、25.6%が「今後利用を予定/検討している」と回答。現在、さまざまな企業規模/用途に向けたクラウドストレージサービスが登場しており、その多くがユーザーの利便性を損なうことなく、クラウドストレージの利用状態をコントロールできる機能を備えている。

ビッグデータに最適なクラウドストレージ

photo 提供:クラウディアン(4ページ)

 企業規模を問わず、多種多様な非構造化データが増加している。そうしたビッグデータを適切に扱うため、ストレージ環境には膨大なデータを迅速に「書き込み」「保存」「読み出す」ことが求められる。このホワイトペーパーでは、「クラウドストレージはビッグデータの処理要件に対応できる」と解説。具体例として「Amazon S3(Simple Storage Service)」と「ニフティクラウドストレージ」を挙げ、その特徴として以下の3つのポイントを解説している。

  1. オブジェクトストレージ
  2. 分散処理ソフトウェア
  3. ストレージの仮想化

 1つ目は「クラウドストレージはオブジェクト構造が主流である」点。一般的なファイルシステムのファイル構造では、大量のコンテンツを保存すると全体容量がひっ迫し、データ移動が難しくなる。だが、オブジェクト単位でIDとひも付けて管理するオブジェクトストレージではそのサイズや個数などに制約がないため、データの移動が容易に行えるという。

 2つ目の特徴は「NOSQLデータベースや分散ファイルシステムなどの分散処理ソフトウェアを活用している」点。多数の汎用的なサーバを同時並行してソフトウェアで分散処理を行うことで、ストレージの可用性、拡張性、信頼性などを向上させている。

 3つ目は「ストレージの仮想化によりマルチテナント(複数グループ)で共有する」点。ストレージを仮想化することで、クラウドサービスの提供側は、空いている設備容量を利用者に動的に割り当てられ、利用者側は使った容量分だけのコストを負担すればよいという。クラウドストレージの特徴を分かりやすく解説したコンテンツだ。

クラウド活用で自動バックアップを実現

photo 提供:日立製作所(6分49秒)

 日々のストレージ運用において、多くのシステム管理者が「I/O性能低下によるバックアップやリストア時間の増加」「導入・運用に関するコストや作業負荷の増大」を課題に挙げている。このWebキャストでは、その解決策として「クラウドサービスを利用したバックアップ環境の構築」を提案。具体例として、日立製作所の「Cloud on-Ramp」を紹介している。

 Cloud on-Rampは、同社のファイルストレージ「Hitachi Virtual File Platform」(以下、VFP)とバックアップ/アーカイブストレージ「Hitachi Content Platform」(以下、HCP)を組み合わせたバックアップ環境。オフィスの各拠点にVFPを、データセンター側にHCPを配置し、インターネット経由でVFPに保存されたデータを事前に設定したスケジュールに従ってHCPに自動的にバックアップする。また、スタブ技術によってアクセス頻度の少ないファイルや更新日次の古いファイルなどをHCPに移動させることで、ユーザーは目的のファイルの所在を意識せずにアクセスできるという。IT予算や社内の管理者などに制約がある中堅・中小企業に、より適したクラウドストレージといえるのではないだろうか。

大規模システムにおけるクラウドストレージの活用事例

photo 提供:日本ヒューレット・パッカード(4ページ)

 大規模なシステムでは、オンプレミスやクラウドを組み合わせるハイブリッド構成を取ることもある。このホワイトペーパーでは、パナソニックインフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)が2010年11月に提供開始した情報システム基盤ソリューション「Nextructure」にクラウドストレージを採用した事例を紹介している。

 パナソニックISは、サイロ化したシステムのインフラレベルの統合と運用負荷の軽減を目的に、クラウドストレージ「HP 3PAR Utility Storage」を導入。260台以上の物理サーバを接続し、複数の業務システムのデータを統合管理するストレージ基盤を構築した。同社は、Nextructure以外に統合システム基盤やIaaS型のクラウドサービスにもHP 3PAR Utility Storageを採用している。その選定理由や導入効果を、同社CIO 常務取締役など3人の担当者が語っている。中でも、3PAR Utility Storageのデータ最適配置機能によって、自社運用する本番環境ではストレージの利用率91%を実現しているという。大規模システムにおけるクラウドストレージ導入の参考になるコンテンツだといえるだろう。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

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