機能を徹底解剖! 初めてでも分かるAmazon Web Services【第5回】
AWSの4大データベースサービス、特徴と使い道
AWS(Amazon Web Services)が提供するデータベースサービスには、「Amazon RDS」「Amazon DynamoDB」「Amazon ElastiCache」「Amazon Redshift」の4つがある。それぞれの特徴とユースケースを紹介する。
AWS(Amazon Web Services)には4つのデータベースサービスがある。それぞれ特徴的だが、どのように使い分けたらよいかが分からない人もいるだろう。そこで今回は、ユースケースを交えてサービスを紹介する。
これまでの連載
- 第1回:AWSを導入する上で知っておきたい基礎知識
- 第2回:AWSの仮想サーバ「Amazon EC2」と、使える周辺サービス
- 第3回:AWSのストレージサービス「Amazon S3」と、その周辺のサービス
- 第4回:AWSの3大ネットワーク機能を理解する
- 第5回:AWSの4大データベースサービス、特徴と使い道
連載インデックス:徹底解説! 初めてでも分かるAmazon Web Services
クラウド ナビ
Amazon RDS
概要
「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)はフルマネージドのリレーショナルデータベースサービスだ。MySQL、Oracle Database、Microsoft SQL Server、PostgreSQLと4種類のデータベースに対応している。データアクセスには、もちろんSQLを利用する。
バックアップやパッチ更新が自動で行われるので面倒なデータベース管理からユーザーを開放してくれ、スケールアップも容易である。
また、DR(災害対策)構成を構築する「Multi-AZ」やレプリケーション構成である「リードレプリカ」をManagement Consoleから数クリックで作成することもできる。
料金についてはDBインスタンスを起動している間に課金される時間単位の課金体系とストレージ容量、それらにインターネット経由で送信したバイト数に応じて課金される課金体系がある。
Multi-AZとリードレプリカ
よく使われる機能であるMulti-AZとリードレプリカの2つを紹介する。
- Multi-AZ
Multi-AZは異なるアベイラビリティゾーン(AZ)間にマスターとスレーブのインスタンスを作成し、耐障害性を上げる機能だ。
マスターとスレーブはデータ同期されており、通常時はマスターを利用する。マスターに障害が発生した場合にはスレーブがマスターに自動昇格し自動フェイルオーバーする。RDS(Relational Database Service)を使った商用サービスをAWS上で構築する場合には必須の機能と考えてよいだろう。
- リードレプリカ
Multi-AZは耐障害性を向上させる機能だが、負荷分散にはならない。もし、負荷分散を実現したい場合にはリードレプリカを使うことになる。リードレプリカは、マスターから複製された読み込み専用のレプリカを作成する機能だ。
これによって、参照系クエリはリードレプリカに、更新系クエリはマスターと負荷分散させることが可能になる。
ただし、発行されたクエリが更新系なのか参照系なのかを判断する機能は備わっていない。そのため、マスターとリードレプリカどちらにクエリを発行するかは、アプリケーション側の実装やクエリを判断して接続先ホストを振り分けるミドルウェアを用意して実現する必要がある。
ユースケース
Amazon RDSはWebアプリケーションなどのオンライントランザクション処理に向いているサービスだと言えよう。
もちろん、データベースをAWS上で利用したいのであれば、Amazon EC2にデータベースをインストールして利用することもできる。しかし、Amazon RDSのようなフルマネージドサービスを利用することで、IT部門はアプリケーション開発など主要な業務により注力しやすくなるだろう。
Amazon DynamoDB
概要
Amazon DynamoDBはフルマネージドNoSQLデータベースサービスだ。SSD(Solid State Drive)を利用した超高速かつ無限に使えるストレージと、プロビジョンスループットによる予測可能なパフォーマンスを特徴に持つ。
データアクセスにはAWSのAPIを用いるのでAPIの学習は必要だが、各種言語にSDKが提供されているのでそれらを用いることで簡単にデータアクセスが可能だ。また、格納されたデータは自動的に3カ所のAZに保存されるので信頼性も高い。
料金体系
ほとんど管理不要のAmazon DynamoDBだが、唯一ユーザーが設定するものがある。それは、ReadとWrite、それぞれに対して必要な分だけのスループットキャパシティーだ。
この点が他のサービスと大きく異なり、戸惑うかもしれないが、逆に言えばこの点以外は全く気にする必要が無いサービスともいえる。
DynamoDBの料金体系はAWSのデータベースサービスの中でも特徴的だ。プロビジョンスループットで決まる時間料金と、ストレージ利用量で決まる月額料金が発生する。
他のサービスのようにインスタンスタイプのような概念は存在せず、予約したスループットに基づいて1時間ごとに料金が課金されることを覚えておいてほしい。
ユースケース
やはり、NoSQLの特性を生かした使い方になるだろう。
NoSQLはトランザクションが苦手であるなど、RDBMS(Relational Database Management System)の置き換え手段としてはあまり望ましくない。つまり、置き換えではなくRDBMSが苦手とする部分を補う使い方をするとAmazon DynamoDBの良さを引き出すことができる。
例えば、データが増えてもパフォーマンスが落ちないという特性を生かし、巨大なデータをAmazon DynamoDBに格納したり、スパイクする可能性のある広告システムやゲームといった大量のトラフィックを処理する場合に効果を発揮する。
Amazon ElastiCache
概要
Amazon ElastiCacheはフルマネージドメモリキャッシュサービスだ。MemcachedとRedisの2つのエンジンをサポートしており数クリックで起動させることができる。
データアクセスにはMemcachedもしくはRedisのプロトコルを用いる。
ユースケース
SNSやゲームといった、読み取りが多くデータベースに負荷が掛かるサービスのキャッシュや、Webアプリケーションのセッション情報の共有場所としての利用が一般的だろう。
よく使われるデータをメモリ内に格納することで、アプリケーションのパフォーマンス向上が見込まれる。
Amazon Redshift
概要
Amazon Redshiftはデータウェアハウス用フルマネージドデータベースサービスだ。
数百Gバイトから数Pバイトまでの拡張性と、カラム型データベース、超並列演算(MPP)による高速性を併せ持つ。
さらに、インスタンスは従量課金(初期費用、ライセンス費用不要)で、料金面でも従来のデータウェアハウスを知っている人を驚かせるようなサービスだ。
データアクセスはPostgre SQL JDBC/ODBCドライバに対応しており、このドライバに対応するSQLクライアントやBIツールを利用することができる。
ユースケース
使い方はデータウェアハウスとしてが一般的だろう。
Amazon Redshiftは、CSVやTSVといった形式のデータを、COPYコマンドを使ってAmazon S3からインポートすることが可能だ。
ETL(Extract/Transform/Load)などを用いて整形したデータをAmazon S3へ一端転送してからAmazon Redshiftにインポートし、そしてAmazon EC2にインストールしたBIツールで分析するという使い方が考えられる。
図3ではデータ整形処理を企業のデータセンターの中に置いているが、当然ながらAmazon EC2上で構築してもよい。
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徹底解説! 初めてでも分かるAmazon Web Services
Amazon Web Services(AWS)に関する最新記事はこちら→ Amazon Web Services(AWS) (http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/saas/aws/)
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